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76421さんのシェル・クレイル ~愛しあう逃避の中で~の長文感想

ユーザー
76421
ゲーム
シェル・クレイル ~愛しあう逃避の中で~
ブランド
ALICESOFT
得点
80
参照数
343

一言コメント

システムがよければなぁ・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

システムが悪いです。文章読み返しこそあるが、Skipに既読判別が無い。話はほぼ1本道ですが、途中に細かい分岐があるため、これは非常に不便。ゲームにSkipの既読判別機能をつけることってそんなに困難なんでしょうか?(私はその辺詳しくわかりませんが)。1997年発売のToHeartに既読Skip判別機能はありました。コレは2003年の作品で、しかも業界最大手のアリスソフトです。この頃には、ほとんどのゲームにSkipの既読判別機能はあります。コレでは手抜きと思われても仕方ないのでは?と感じました。
さらにセーブ箇所も少ないですし、セーブ、ロードできるのが行動場所を選ぶ部分のみなので非常に不便でした。

あと、いつ頃の時代の話なのか不明です。ゲーム中では照明に電球はなくランプを用いていました。一方で、自殺しかけたリズに輸血するシーンでは、誰の血液が輸血可能か判別できました。確か、ABO型の血液型判別が解明される前に、電球は発明されていたと思います。このあたりに矛盾があると感じました。

さらに、声が無いので、全然エロくないです。だがエロシーンは多く、そのテキストが長いのでダレました。あと、第1部は話が無駄に長く感じました。

他にも、不満点をあげればキリがありません。ですが、シナリオは素晴らしかったです。
登場人物は、完全な善人でもなければ完全な悪人でもない人物が多いです。本心では、自分の欲望を満たそうと思いながら、それによって他人が傷つくことに罪悪感を持っています。このあたりが非常に上手く描かれていると思いました。

ラスト近くでの主人公の台詞『みんな悪いし・・みんな悪くないんです・・そうとしか言えないです』この言葉が、非常に心に残っています。このゲームの人間関係を良く表現していたのではないかと思いました。