評価点も結構あるけど悪い部分も致命的。個々のシナリオは良いので作品全体のまとまりを忘れて短編集と割りきるべきか。
色々言われてるしその内容も分かるんだけど、個人的には気になる点は二つ。
一、個別の異世界での経験の扱いが薄い。各ヒロインの世界を除くと恋愛観に対する影響までも小さいように見える。
特にハーレムエンドでネリア琥珀木下(と多分リムス)が一夫多妻に加入する経緯が謎。
あと、当初の目的である行方不明者捜索には輪をかけて役立たないのが不自然すぎるので、少しでも有益な情報やひらめきの一つでも持ち帰る描写が欲しかった。
二、頼斗が楓と肉体関係を持つ所。いくら稟と同期しててもそれ絶対やっちゃ駄目だろと思ったのは自分だけ?日常生活を体験するだけなら直前の経緯にも則している範囲内だったろうが、さすがに肉体関係となると見てられずスキップしてしまった。絵は良かったので西又さんには申し訳ないけど。
この件に関して作中で指摘や反省があればまだよかったのだが、関わった全員に悪意がないのもあって誰も言及も反省もせず、必要なイベントだったかのように進行していたのがやるせなかった。
せめて頼斗は感覚だけ共有してもらう立場で、当時の稟本人の思考や言動には全く介入しない形で進行してもらいたかった。
キャラも異世界の個別のシナリオも冒頭もエンディングもそれぞれは好きなので、上のうち前者の欠点は無視できるし点数にも影響してない。
が、後者はシリーズファンとして正直キツい。パッとしないから65点ではなく、加点要素だけ見れば90点のところを寝取られもどきみたいなシーンの存在だけで-25点された感じ。
あと、この作品単体への評価ではないけど、頼斗・琥珀の両親絡みの話と初代キャラ絡みの話という大きな感動の種を使った作品の完成度がこの程度というのはシリーズにとって大きな損失な気がする。
そもそも今作はプリムラ以外の過去キャラが出てなくても買ってたし、その方がむしろ作品の評価で言えば(結果論ではあるが)上がっていたと思う。
今回加わったらぴす、藍、セレナ、頼斗と琥珀の両親含めてエピソード2のキャラは本当に良いので、もう無理に初代のキャラを出さなくていいんじゃないかな。
ソフマップ限定版を買ったのはエピソード2のファンブック目当てだったので、その点は後悔してないけど、次に関連作が出たらちょっと様子見かなぁ。
何度も言うけどキャラは本当に良いから、シナリオと構成の制作体制だけ見直してシリーズ継続してほしいなぁ、と思います。