「人と人は分かり合えない」
「人と人は分かり合えない」を全面に押し出した露悪的とも言える尖ったシナリオはどみる作品としては異端、読めば読むほどメンタルが削られていくような感覚になりましたが、最後に残していたアイリスルートが積み重なったものを解消してくれて救われた気分です。
優等生なほのかと対照的なアイリスの成長物語としても面白く、最後に彼女が出した一見手のひら返しにも見える結論は消極的だった過去の自分を乗り越え、自分で自分の歩んできた道を肯定する素晴らしい回答だったと思います。
分かり合えないからこそ衝突するし、ぶつかり合った先に新しいものを見つけていく……重く人を選ぶものの、刺さる人には深く刺さる、そんな個性派な作品でした。