はじめの真紅√でその可愛さに悶えた。つかさ√までやって、ただ真紅の可愛さに萌えるだけのゲームなのかなと思った。 ・・最後までやって感動して泣いた。
FDというよりか、もはや完結編。
真紅√以外にも各キャラのアフター√や藍√がありますが、それらは全て徹頭徹尾、
真紅に幸になってもらう為の条件であり布石。
なのでこの物語におけるヒロインとは真紅のみにあてはめられる言葉だと思う。
シナリオは、始め萌え重視かと思わせ実は鳥肌物。真紅が好きじゃないと価値は半減するかも・・・。
序盤の可愛過ぎて心臓が破裂するかと思わせた真紅と、最終章のせつな過ぎる真紅とのギャップが凄く良かった。
独特のテキスト回しも前作同様素晴らしかった。ぶつ切りな文章も独特の臨場感がある。
Hシーンは全部で11。うちフェラを伴う物が7シーン!
チュパ音は前作よりは良い気がするが、それでもなお控え目な感じ。
BGMは前作同様、素晴らしい。システム面も問題無し。
蓮ちゃんが攻略できなくて残念だったとか、そんなこと気にならないくらい真紅への愛に溢れた作品。
真紅も可愛いが青空も可愛い。
青空が成長したFDでないかな・・・。無理だろ~な。
ハクとレン。まだ未熟な魂であったが故におきた親子の悲劇的な結末は、その後の、いろとりどりのセカイ創造へのきっかけ。ハクはレンに愛を与えられなかった。
レンは愛を知ることなく、世界の果てで一人佇み、あきらめ停滞する。
ハクは転生を繰り返すことで魂の成長を得、人に愛を与えるということを知る。
そんなハクをレンがみて愛を知りたいと願い、そんなレンをハクがみて愛を知ってもらいたいと願ったのは、ただの偶然とはいえないだろう。
そして生まれるいろとりどりのセカイ。レンが・・鹿野上悠馬が愛を知る為に設計されたセカイ。鹿野上悠馬という命と、その名と、叶うはずであった恋を奪って創られたセカイ。
いろとりどりのセカイで選ばれたもの、選ばれなかったもの。セカイに光と影が差す。
悠馬が真紅と結ばれたセカイ。かつてハクであり、悠馬が命を刈り取ったものにも許され、守られている優しいセカイ。しかし、悠馬は悩む。自分は許されてもいいのかと。
ここで断罪。かつて全てを奪われたユウマが、全てを奪った悠馬を許さない。
おまえは罪人だ。ならばお前はいろとりどりのセカイで犯した罪に、おまえの身勝手で苦しんでいる者達に、不当な扱いを受けた者達に許しを請わないといけない。
罪人は許されなければならないのだからと。
そしてはじまる悠馬の贖罪。
しかし、許されない。延々と続く贖罪に悠馬の心は摩耗し、折れかける。
何度も諦めかけるが、諦めない。再び、真紅と共にあるために。
いろとりどりのセカイで悠馬は影を落とした、それは確かに罪なのかもしれない。しかし、落とした影の一方でセカイに光を照らしたのもまた事実。
そして、今や悠馬は決して独りではなかった・・。
真紅や仲間達、そしてかつて母と呼んでいたもの。いつかは受け取ることができなかったその愛、いろとりどりのヒカリ。
いろとりどりのセカイから、いろとりどりのヒカリが差し込み、そしてセカイは収束し、いろとりどりの世界となる。
真紅との愛と、親子の魂の成長を綴った名作。
ご都合主義でもいいじゃない。
綺麗ごとはきれいなことだから、それでいいんだよ。