とてもエロゲをやっているような感覚ではなかった。素晴らしい。
今までやってきた中で、ここまで自分が物語の中心にいるような感覚になったゲームはないと思う。
捜査パートの作業プレイ感だけ少し残念だったが、この発想はすごくいいと思うし、何より「ゲームをやっている」という実感できた。
あまりにも簡単に犯人が突き止められてしまうのも逆に面白くないので、難易度としてはこのくらいでいいのかもしれない。
それでも操作性はもっとよくしてもらいたいかな。
たいていのギャルゲだとどこかで物足りなさを感じて中だるみするものだが、殻ノ少女では全くそれがなかった。次にまた誰かが殺されると考えると、平和に浸る間もない。
そして推理パートや犯人視点の挿入など、プレイヤーを飽きさせることなく物語の世界に引き込む工夫が凝らしてあったと思う。
その一方であまりに先が気になりすぎ、音声飛ばしてクリックしてしまったのは反省点ですw
最近、「とりあえずハッピーエンドを」という風潮があるが、ただハッピーエンドがあるだけではダメなんだと思っている。
それは本編で成功を収めたゲームが後に出したファンディスクで酷評されることが物語っている通り、ただ「幸せ」で終わることだけがゲームにとって必ずしもいいこととは限らない。
今回の殻ノ少女は確かにハッピーエンドという形式で終わることはなかったかもしれないが、それでもゲーム中の伏線であったり、エンド後であったり、「プレイヤーの考えに委ねる」という場面が多くあった。
そういった考えさせる要素もまた面白いと思うし、全てが解決して「あぁよかったね!」という結末よりも心に残る終わり方なのではないか。
とりあえず久々にやり応えのあるエロゲだったなーというのが結論。