ゲーム性だけが目的ならコンシューマでもやればいい訳で。比べてしまえば一回りも二回りも見劣りするエロゲーにおいてまでなんでゲーム性を求めるの?と聞かれれば答えは一つしかない。「可愛い女の子とイチャイチャしたりヌッポヌッポしたりしながら剣だの魔法だので冒険がしてえ」これに尽きる。ゲーム性もお話もエロもそこそこあればまあ、それでいい。なのでこのこじんまりとしたゲームシステムは評価はできないけど、酷評する程の気にもならなかった。それより問題はヒロイン勢の扱いがあまりにもショボすぎる事。一人を除いて後は全員脇役なのかってくらい薄い。更に今回はユニットとして使える訳じゃなく、ただ居るだけ。これじゃ感情移入のしようがない。やってて全然嬉しくなれない。
自分はまあ、すぐにゲーム性がどうだこうだと語ってしまう口だけども、
結局のところはえっちなRPGえっちなSLGが好きなだけなんだよね。オッサンはどうしてもそういうものに弱い。
といっても、コンシューマー並の内容を求めている訳じゃなくて、
いやそういうものが出てくれれば失禁しながらプレイするけど、そこはやっぱりエロゲーだからさ。
諦観…と言うとちょっとアレだけど、まあある程度遊べればそれでいいかな、とは思ってる。
口ではあーだこーだ言いながらもきっちりオールクリアはしてるくせにwみたいな感じでさ。
だってエロゲーだもん、ヒロインとの絡みやエロも楽しみの一つな訳だし、ゲーム性だけで勝負する必要もない訳で。
お気に入りのキャラを自分で操作して敵と戦わせるだけでも楽しいもんだし、
えこひいきして育てるとかやりだすと愛着も増すばかり。
そしてそんなキャラ達のパンツが見れたりヌッポヌッポしたりできるとなればそりゃもう十分満足もできるってもんだよね。
まあとにかく、相乗効果って言うのかな。RPGやSLGといったそういうゲーム性と
エロとの相性は凄くいいと思うんだよ。ゲームの部分とエロの部分、互いが互いの価値を押し上げてくれる。
で、この作品。
ゲーム性の部分についてはギリギリで可、という感じ。つまらないとは言わないかな。
英雄戦姫とかと比べれば一応ゲームの体を成しているし、実際2週目くらいまではそこそこ楽しかった。
しかし一通りクリアするとなると10週前後を要すると思うので、早い内に飽きがくるのはかなりまずいね。
クソゲーではないものの、巣ドラや王賊といった過去の名作を比較対象にしてしまうとあまりの落差に
「本当に同じメーカーなのか?」と疑問を覚える程度には底が浅い。
スキルを弄るような楽しみはないし、アイテムとか存在すらしないしなあ。まあ正直、単純作業の域を出ない。
ヒロインは一部を除き、殆どがスタート時点で既に好感度Max・セクロス済みの状態で始まる。
まあこのメーカーは元々ストーリーの描写は薄い方だと思うけど、でも今回はちょっと、酷過ぎた。
(既に出来上がってる関係みたいだけど、どんな馴れ初めがあったのかな?)と期待してたら
「敵だったから倒してほのぼのレイプしたら愛人にクラスチェンジした」とか大体そんな感じで
まあ確かにいつも通りのソフトハウスキャラなんだけど…なのになんで今回に限って寒々しいんだろう?
色々考えてみたんだけど、これはたぶん、過程がごっそり抜け落ちてるせいなんじゃないかなあと思った。
「何度も何度も抱かれてる内に躾けられた」とか、あるいは「ストーリーの進行に併せて」といったような
二人の歴史を感じられるような過程の描写がないヒロインばかり。
いきなり過去回想が始まって、初回レイプシーンだけ見せて「そんな過去もありましたねー」「あったなー」で終わる。
俺の知らないところで、知らない内に主人公と仲良くなっていたヒロイン達。
ただ画面の前で眺めているだけの俺にとっては、最初から最後まで他人の様にしか感じられなかった。
更に今回は彼女達をユニットとして使う事ができないため(ユニットは全て汎用キャラ)、
上で挙げたような相乗効果も期待できない。要するにゲームとしても紙芝居としても、キャラクターへの愛着が沸きづらいんだよね。
ついでに言うとこのゲーム、あまりにも世界が狭すぎる。
「門を守るお仕事」なんていうタイトルだから、そりゃあ門を守るのが目的のゲームってのは判るw
判るんだけど、A国とB国の戦争だとか隣の要塞がどうたらこうたらと言う割に
街から一歩も外に出ないままエンディングってのはどうなのよと思った。
「門を守ろう」→「門を守った。~Fin~」って、それはちょっと、いくらなんでも寂しくねえかw
ぶっちゃけストーリーらしきストーリーも殆どないし、国盗ったり王様になったりが常だった今までからすると
やっぱりこう…スケールが小さ過ぎる感がある。
「マップが一種類しかない」「移動できる訳でもないのに何故か地図メニューがある」
「ヒロイン勢の異常なペラさ」「何の脈絡もなく魔物ユニットが出てくる」等々から察するに
たぶん途中で色々なものを削ったんじゃないかなあという気がする。
未完成臭というか、見切り発車というか、省エネというか…このゲームに感じたものを一言で表すならそんな感じ。
面白い面白くないというより、そういう姿勢が透けて見えてしまう事がまずいんじゃないかなあと思った。
実際自分も中世ファンタジーっぽい世界観&たまる絵って事で期待はしてたんだけど…
まあ、正直、失望を禁じえなかったかな。
良いところもなくはないんだけどね。たまる絵とか。
雪鬼屋ではずいぶん硬い絵になってしまっていたので心配だったんだけど、今回はある程度持ち直してるように見えた。
相変わらずドット絵も頑張ってたと思うしね。ヒロイン勢はいないし種類も少ないけどさ。
お家芸の「どうでもいい話」も、これまた雪鬼屋よりは良くなっていたように思う。
ああそうだ、メイベルちゃんは可愛かったと素直に認めよう。初見時は「なんかケバくね?」とか思っててごめんなさい。
巣ドラや王賊、WCの続編あるいはリメイクに逃げない姿勢は好きなんだけどさ。
毎回新しい何かを作り続けている事に違いはないので、言ってみりゃノウハウも生かしづらいだろうとは思うけどさ。
それでもやっぱり思っちゃうんだよな。「ああまた王賊みたいに色んな意味で満足できるもんやりてえなあ」って。
エルフほのぼのレイプしながら世界観にまったり浸って、お姫様とヌッポヌッポしながらユニット鍛え上げて
クラスやスキルを思うままに弄繰り回して敵蹴散らして、そんで国盗ってハーレムでまったりしたい訳よ。
だって他のメーカーからあんなのが出てくる可能性なんてほぼゼロに等しいもん。まだ同人に期待した方が目がありそうだし。
ぐだぐだと色々書いてはいるものの、なんだかんだで自分はまだこのメーカーに期待してるんだよね。
雪鬼屋に続いてこの有様なので正直かなりぐらついてはいるけども、それでもまだまだ折れない。
たまるが描く限りはついていくよ。もう色々と刷り込まれすぎてるしさ。
ただ、そんな信者から見てもこの作品はダメダメだった、という話だね。