ニヤニヤから始まり、ニヤニヤで終わる、ニヤニヤゲー。最高です。
シナリオ重視派の僕は萌え系作品との相性は芳しくはない。だが、この作品には降参です。もう、終始ニヤニヤしっぱなしでした。
【プラスポイント】
・絵師と声優のコンビネーションが最高。とにかく、ヒロインの一言一言に頬が緩みっぱなしです。でも前作にあたるキミキスが全く評価出来なかった僕なので、絵師との相性だけの問題ではない、と思う。この作品ではスタート時、主人公とヒロインとの距離感はそれなりに開いている。はじめっからラブラブであったり、長年の親友のようなベッタリな距離感での会話ではない、恋人には程遠い距離を感じながら始まり、徐々に近づいていく。それがエロゲーをやり過ぎの僕には新鮮であり、楽しかったのかもしれませんね。
・ヒロインでは「七咲逢」の魅力が頭一つ抜けている。後輩でありながら、ツンデレキャラ。と思わせながら、実はそんなに癖のある女性ではない。シナリオは平凡。でも、そこが良い。互いに惹かれ合う過程がじっくりと味わえるから。彼女の場合、どちらが上とかという上下関係がない。ヒィフティーヒィフティーから始まる知り合い程度の関係。そこが一番惹かれたポイントなのかも知れない。
比較すると 七咲逢>森島はるか>桜井梨穂子>隠しキャラ>絢辻詞>棚町薫>中多紗江 というのが僕の感想です。
・変態紳士。彼の口から放たれるエロ会話は面白い。馬鹿ゲーの世界。僕の中ではギリギリで馬鹿ゲーの仲間入りを回避しましたが、人によっては馬鹿ゲー評価もありえるでしょう。でも、彼はしっかりとしていて前向きな主人公ですよ。僕は好感が持てました。
・PSPとの相性は抜群。PSP用に絵を調整していない為に頭が切れているなどの批判も見受けられますが、これが初プレイの僕には関係ありませんでした。肩を張らずにゴロゴロと寝っころがりながらのプレイが似合うゲームです。
【マイナスポイント】・七咲逢はシナリオに癖がなく、それが高評価に繋がった。逆にシナリオで損をしているのが絢辻詞。パッケージの表面を独占しているヒロインなのだが、完全に失敗キャラ。彼女が本性を見せ始めてから魅力は急速に失われていく、容姿的好みでは一番なのに悲しかった。メインに据えるのなら捻りは不要です。期待を裏切られただけに残念度合いが高い。下級生2と似たような失敗をしています。
・シュミレーションを謳っているためなのか、全てのイベントを見るには相当な労力を要します。僕はベストエンドだけで諦めました。萌え系として割り切って拘りを捨てて、その分の開発コストをメインルートの充実に回してくれれば、満足度は確実に上がったと思います。
・会話モードも半分は無駄。だれがテンションが下がった状態での会話を望みますか。わざわざテンションを下げてまで会話をコンプしたいと思いません。これもメインルートの充実に回して欲しかった。
・意味の無い突発イベントも無駄。これも・・・・ 以下同文です。
・プラスアルファである麻雀。そんなものありました?と、言いたくなる出来です。こんなものを作るなら、シナリオでも追加して下さい。サービスするポイントがズレています。
もし作り手がシミュレーションという看板への拘りを捨てたのなら、神ゲーにもなりえた可能性はありました。残念ですがコンシューマー作品としては逃げられなかったのかな。