まさしく蛇足。だがこの作品は"黒"と"白"に救いを齎した。私にとって、それだけでこの作品をやる価値はあったのだ。
この作品は『彼の戦い』から『本当の彼女たちの生き方』の間、そして『本当の彼女たちの生き方』の後のタクを補完する物語となっており『Chaos;Head らぶChu☆Chu!』の様な正統続編ではないものとなっています。もしも続編を求めるならば『Chaos;Child -Children’s Revive-』を読むべきでしょうし、また『Chaos;Child -Children’s Revive-』を読んだ後ならば、子供だった彼らは大人となった事で「混沌なる子供」という意味を持つこの物語に続きは必要ないのだと感じることでしょう。
あぁ！ まさしくこの作品は蛇足！
子供でなくなった彼女たちを描くわけでなく！ また子供であった頃を描くとは！！
だが、蛇足であれ私にとってこの作品には価値はあったのだ。
タクにとって友人であった白と、望みを叶えようとした黒は死人である。タクの願いを叶えようとした少女達はタクによって殺され、残ったのは人として産みだされた別人である。黒と白は望みを叶えることが出来ず救われることはなく死ぬ運命であった。彼女たちを本来の――（夢の中限定であるが）イマジナリーフレンドとして生き返らせる事は蛇足以外の何物でもない。だけど、それでも、私はその光景に涙を流したのだ。
価値はあったのだ。
LCCと一日遅れで発売された『Chaos;Child -Children’s Revive-』を読んで、私の中における『Chaos;Child』という物語は完結しました。未だ刊行されている『Chaos;Child -Children’sCollapse-』は私にとっては『Chaos;Child』の名を持った『Steins;Gate』であり「混沌なる子供」を描いた物語では無いのです。だからこそ、これにて『Chaos;Child』の物語は閉幕し、アンコールが無いことを祈っています。