Q.『千恋*万花』という作品におけるメインヒロインは芳乃ですか?
A.いいえ、レナ・リヒテナウアーちゃんと叢雲様です。
『千恋*万花』で最初に金髪巨乳の桐……沢澤砂羽さんのCVに一目惚れしたレナちゃんから、始めようと思ってルートを進めました。正直に言ってしまえば「レナちゃんは物語の本筋には絡まないシナリオより萌え路線のルートだろうから、安心して進めれるな!」と思って始めてたら、芳乃√で語るかと思っていた呪いの正体やら、ムラサメちゃん√で語るかと思っていた叢雨丸の起源やら、物語上における謎が全て解決するルートとなっていました。またムラサメちゃんのルートのネタバレっぽいのとか出てきたり(曖昧にしているが推測が可能な範囲)、最後にするべきルートを最初にやってしまった感が半端無かったです。
しかし、レナちゃんが可愛かったので重大なネタバレとか、もう許せちゃいます。可愛いは正義。
こういう見ているだけで元気をくれる子は僕は大好きです。レナちゃんとオーロラ見に行きたいし、レナちゃんにカッコいい所見せたいし、レナちゃんと一緒に同じ星を眺めたい……。
2016年における私的ヒロイン第一位だった『ISLAND』の御原凛音を抜いて、余裕の一位になりました。一緒に暮らしたさあるし結婚したい。あぁ……レナちゃん。
……そろそろ少し落ち着いて――、閑話休題。レナちゃんルートを語る事で重要なのが叢雲様です。
彼女こそが『千恋*万花』のメインヒロインのレナちゃんとは別に存在するもう一人のメインヒロインでもあります。彼女について話すのなら、まずOP『恋ひ恋う縁』を聴いてみましょうか。
*(耳コピ歌詞です)
誠 意地の 悪い神の所業か
奇跡 縁 袂触れ合う不思議
花ひとひら揺れて 不意に屋戸をでた
うなじ解いてく春風
戯れはそこそこに
恋手ほどきしてくだしゃんせ
優雅にほんのり頬染めて
夜風に願ふ
いざ 蝶と舞ひ
花となりて 衣を乱して祓いましょう
あゝ嫌らしい 心の穢れ
故 刀となり
楯となりて この想ひ護り賜え
君が恋の門を殺めた
*
『恋ひ恋う縁』を初めて聴いた時は「あぁ、これはヒロインを護るために、叢雨丸を失って主人公が人柱となって刀となる感じだろうなぁ」とか思っていました。しかし、プレイ後は良い意味で裏切られました。もう!!!!!!!!ほんとうに!!!!!!!!この歌詞大好きです!!!!!!!!!!!!!レナルートの為に……否、叢雲様の為にある歌詞ですよ本当に!!!!!!!!!!!!!!
しかもレナルートにて明かされる『千恋*万花』というタイトルに込められた想いですよ。
叶うことのない恋、それでもこの想いを形にして、彼の一族を護る為の盾に……。その千年の恋の想いが、出会いと別れを繰り返す春という季節に、いつか万の花を咲かせられるように。
悲恋の物語ではありますが、叢雲様がこの作品におけるメインヒロインといっても過言ではない!そう私は思うのです。
しかも芳乃ルートにおいての叢雲様の行動が本当に素晴らしくて感動して……。あの展開はレナルートの後と前だと印象が変わって、ご都合主義だとか、そういった悪い印象を受けるかもしれませんが、原理は祟り神がレナに見せた、記憶を夢に反映させる事と同じものなんだと思います。叢雲様が芳乃のお父さんの記憶を芳乃の夢に反映させる。そうする事で彼女は呪いからも、自身が縛り上げていた呪縛からも解き放たれたのです。
もう……叢雲様のメインヒロインっぷりが本当にやばさしかないです。やばい。久々に可愛くて、愛おしいと感じられたヒロインでした。数ヶ月はレナちゃん(叢雲様)に囚われそうです。
さて、キャラクターについてはここまでにして、点数についてなんですが、前作である『サノバウィッチ』が82点をつけているのに対して、今作は78点と低くつけています。それは今作に追加されたシステムを活かしきれていない事です。
今作から分岐と物語の流れを視覚化したフローチャートと呼ばれる近年のADVでは当たり前の様に付いてるシステムが追加されました。ただしこのフローチャートなのですが、基本はBADENDまでに至る道を可視化させることで、TRUEまたはHAPPYENDを目指しやすくするものです。ですが、今作のフローチャートは全く、これっぽっちも活かしきれておらず、分岐といっても中に出すやら、外に出すやらで、本筋に関わる事がない代物となっています。
ゆずソフトにおいてシナリオよりもキャラクターに重心を置いているところがある為、BADENDを追加するだけでも批判があるため、フローチャートを導入するくらいならNORMALENDとHAPPYENDくらいへ至るための複数分岐くらいは入れて欲しかったですね。あとはシナリオについてですが、先述したレナルートの様なシナリオを重視したルートもこれからのゆずソフトにも増えていけば私としては嬉しいのですけどね。
というわけでフローチャートを入れておきながら、それを活かしきれていなかった為、前作よりも低い点数をつけさせていただきました。フローチャートを追加したのならば、それを活かしたルート確定後の複数の分岐を絡めたマルチエンディングシナリオであったなら高い点数をつけたかもしれません。