話の構成がかなり上手です。ただ、バッドエンドが一番まとまっています。安易な悲しみではありますが、少し前に大ヒットを記録した某純愛小説（映画化）よりもいい出来かもしれませんね。高得点の理由については長文で・・・
今回この作品では商品として消費者の需要を満たすために無理やりなハッピーエンドが用意され、そちらがトゥルーストーリーということになっています。しかし一つの話として一番の纏まりを見せるのは、バッドエンドでは無いでしょうか。製作者が意図してそうなっているとは正直思えないのですが。作品のテーマとなる無念は希望を求めるものではなく失望を埋めるもの。発展ではなく継続を望むものです。この時点で恋愛という求める象徴のような商品の意義の前においてこのテーマは高が知れてしまいます。そうなれば、登場人物にそれを気づかせて綺麗に纏めるしかありません。今回のバッドエンドがまさにそれでした。このような敷かれたレールの中で繰り返されるような話に高得点をつけたのは、それでも文の構成がすばらしく、惹きつけられるものを感じたからです。
そしてこの作品には多くの批評が存在します。それは私でも、自分の感じた文の魅力を差し引けばこの作品は話として凡庸であるからだと思われます。文に感じる魅力など不確かで、個々にあまりに多くの見識があるため誰が正しいなんと言うものは決してありません。ただそれだけではないでしょうか。
拙い文章ではありますが、自分の感じた事全てを何とか表してみました。もし全て読んで頂き、少しでも共感してくださる方がいらっしゃるのであれば光栄です。