くだらないなあと思って笑っていると気がつくと泣いている自分に気づく、そんな名作品。
感動でき、泣くこともあるかもしれない。サウンドは秀逸で、歌は全て白眉もの。鳥の詩はもはや言うまでもなく名曲であり、それはゲーム史上最高クラスに入る。ゲームゲームしていない歌が好感もてる。
KANONの評価のところでも書いたが、名作は細かいミスやアラ、不満は気にならなくなる力を持つ。それはしっかりとしたテーマ(少々大袈裟だが)があってそれに真摯に向き合って、丁寧に描いてさえあれば、先のような力を持つからだ。
AIR編は特に泣けてしまうが話の中身ゆえに特につらく、読むのが感じてしまうかもしれないが、しっかりと最後まで読めば、深い想いをこの作品に抱くであろう。ぜひやって欲しい。最初は軽いノリもあるが途中から重い雰囲気になるのでそれが嫌ならやらないほうがいい。
青空、風、夏、家族、こんな言葉を思い浮かべ、このさわやかですこしさみしい田舎の空気を持つゲームの世界へとひたって欲しい。自分がこんな貧相な語彙と陳腐な表現力しか持っていないことが悔しくさえ思う。うまくこの作品のよさが伝えられないからだ。ゲームを終えた後、こんなにもさわやかで他人にやさしくなれそうな気持ちにさせるゲームを他に知らない。