文句なく感動する。やさしい気持ちになれる作品。笑い、感動、日常の何気ない日々がしみわたる最高傑作。
どんな作品でも細かいミスやアラが大抵あり、それを見つけると揚げ足取りにもなりかねない指摘をすることもあるが、この作品に関してはする気もならないし、気にならない。その理由はこの作品の根底に流れるものがしっかりとあって、その描き方がしっかりしているからだと思う。主張(テーマ)といっては大袈裟だが、それがしっかりあって、そこへの描き方を真摯に行っているなら、細かいミスなどは吹っ飛ぶのである。気にならないし、名作となりうるのである。
これがもしも実写ドラマ、映画または小説ならば非常につまらないお涙頂戴ものの良くあるものに成り下がってしまう。これはいたる絵(癖があるが)で完全な虚構、しかも俗に言う美少女もの、萌えるような作風ものだからこそその世界で素直に入り込め、笑い、感動するのである。うそ、虚構であると、しっかりと記号になりうるイラスト、作中のキャラのおかしな口癖などがわからせるからこそ、楽しめるのである。
KEY作品全体にいえるが物語の展開にあった素晴らしいサントラはぜひ体感して欲しい。これはアンチKEYの人でもある程度認めていることであり、サントラCDも販売されているので、単独で聞いてもいいと感じるだろう。もちろんゲームを一緒にやればそのよさはもっと増すが。ただのモテモテ恋愛ものや、萌えると言われるものや、ご都合的な、おのろけ作品とは一線を画す。おすすめストーリーはあゆと名雪と真琴。とにかく買って損はない。ぜひ体験してもらいたい最高傑作である。