量は少なくて質はそこそこ。値段の割にちょい不満。SLG好きからするとゲームは簡単。
量は少なくて質はそこそこ。
<量について>
フルプライスのわりに分量が小さく感じる。
まだ1週しかクリアしていないが、
・ヤリコミ要素がほとんどない
・シナリオの分岐も(たぶん)なさそう
なので周回プレイのモチベーションは湧きづらい。
<質(SLG)について>
あまりこの手のゲームを知らない人にとっては完璧を目指すのはそれなりに難しそう。
攻撃特化、防御特化、回避特化などの特徴を持つユニットが一通り揃っており、SLGとしての形式は整っている。
難点をあげるとするなら、、1つのユニットが複数の種類(剣やレーザーなど)を装備できてしまい、しかもそれらの武器の種別の間で違いが小さいことだ。
SLG的な意味での最適解(ランチェスターの法則)を目指すと、みんな遠距離武器ばかり使うようになってしまって、
ユニットの性能や使い勝手が似たものとなり単調。どのユニットも似ているので愛着も湧きづらい。
このことは「大帝国」でも同じだった。最近のアリスソフトのゲームデザインの流儀なのだろうか?
難易度は一般ゲーと比較すると簡単。標準的なエロゲという感じ。
SLGをやり込んでいる人にとっては、難しくない。
・収入の最大化
・反撃を受ける前にアウトレンジから一方的に殺す
・味方の歩調をそろえて敵を各個撃破
くらいの基本を抑えていれば、ほとんどのステージで、「味方全員生存」「敵全滅」「収入施設全て生存」を達成することは難しくない。
以上のように、ユニットに愛着が湧きずらく、難易度が低いので、SLGパートは私にとってはあまり楽しくなかった。
私はアリスソフトに対する期待がかなり高いので、酷評するような文章になっているが、
まあ、ゲーム性で名前が売れているエロゲメーカーの普通の作品、という感じ。
一般的には小粒だけど楽しい作品、くらいの評価だろう。
あまりSLGをやらない人は楽しめると思う。
UIはきれいでわかりやすい。
ただし慣れてくるとゲームスピードがかなり遅く感じた。
<質(シナリオ)について>
シナリオは凝ったモノではなかった。
ほとんどシリアスはなく、終始スラップスティックな雰囲気。
キャラゲーの面の評価でいえば、
ヒロインが昔からトラウマを抱えていて、それらのお悩み解決、という感じのよくあるエロゲ的なもの。
どのヒロインも主人公との人間関係が似ていて変化に乏しい。
いわゆるシナリオゲー的な評価でいえば、
主人公たちと敵との、力関係だとかの構図が、ずっと変化しないので、ちょっと退屈だった。
ラスト周辺で急にややこしい話になるが、これもエロゲではよくあることだった。
ラスボスの正体がかなり最後の方まで明かされないので、ラスボスに対する「許すまじ」「絶対に倒してやる」といった感情は湧かなかった。
ラスボスが唐突に正体を明かす感じはランス・クエストに似ている。
あと、地球を守るというテーマのわりに壮大さはなかった。
ちょいちょい太平洋戦争関連の歴史ネタが挟まるのは私の好み。
ネタは軽い。せいぜい高校の日本史の教科書レベルの話。政治的に中立なので安心していい。
ただし中立を意識しすぎたせいか、もしくは旧日本軍の色を払拭するためか、やたらと主人公が「命を大切に」という意味の言葉を繰り返す。
主人公とヒロインたちの連帯という、プライベートな人間関係を強調する目的で歴史ネタというパブリックな事柄を引き合いに出して否定する場面があった。ちょっと嫌な感じがした。
ランス6で「キムチさん」という名前の慰安婦がいたような、(今となっては世に出せないような)ハードなネタや、軍政史関連の濃いネタはなくて、歴史ネタそのものの楽しみは小さかった。
ただし、ラスボスの過去のところでなぜかちょっとうるっと来た。
それから、主人公がヒロインたちを嫁と呼んではばからず、ヒロインたちも自分自身を嫁と認めるハーレム展開は私の好みだった。
ヒロイン揃い踏みで最初に進化するところは熱かった。
そのほか、全体的に演出はよかった。
しかし、正直なところ、さっさと次のSLGパートへ進みたいので、シナリオは邪魔だった。
フルプライスなので一応全部読んでます、くらいの感じ。
<質(CG)について>
私はCGにあまり好みはないし、構図の崩れとかも気にならないタイプだが、
いつものMIN-NARAKENさんの絵で綺麗だった。
どの絵も綺麗で雰囲気も一貫しているので、公式サイトに載っているCGが好きなら気に入ると思う。
バランスボールの上で脚を開いているCGの無防備さがかなりツボだった。
<質(そのほか)について>
バグなのか微妙だが、あるヒロインのユニットの外観が急にアイドル風になったのでびっくりした。
そのヒロインのエピソードを選択していれば、そのヒロインにアイドル願望があると事前にわかるようになっているのだった。
私はそのエピソードを選択しなかったので、それまでアイドルのアの字も頭になかったから、びっくりした。
音楽はやや単調な感じがする。
おもにシナリオから、「GALZOOアイランド」を連想した。
・異世界から主人公がやってくる
・主人公が謎の魅力でヒロインを手なずける
・たまに触手要素がある
・ヒロインが敵に愛撫される
・ラスボスに悲しい過去がある
・ラスボスと長い時間連れ添ってきた女性がラスボスを攻撃する展開
・原画がMIN-NARAKEN
「GALZOOアイランド」の方がシナリオはずっと魅力的
<総評>
既に多数のSLGをプレイしてきた私にとっては、値段の割にちょい不満。
シナリオは退屈だし、CGは綺麗だけど私はCGのこだわりがないので。