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黒眼赤龍さんのハピメアの長文感想

ユーザー
黒眼赤龍
ゲーム
ハピメア
ブランド
Purple software
得点
95
参照数
2919

一言コメント

有栖(鳥海)ルートは最後推奨だが、 舞亜ルートを最後に持ってきても良いと思う。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

以下雑感
一番好きなキャラは舞亜
個別ルートがもっと長ければ、
CG、シーン数がもっと多ければ良かったと思わないでも無いが、
安易に生き返らせたり、実は生きていたという展開を取らなかったことは評価したいし、
個別ルートが短いが故の良さがあったとも思う。
また、物語終盤で舞亜の関わるシーンはだいたい名シーンだった。
透と咲が一緒に舞亜を撃つシーン
透が舞亜を受け入れるシーン
透が鳥海の記憶(夢)を改竄しようと舞亜に助力を求めるシーン
何と言っても舞亜エンドの舞亜が透を膝枕するシーンが最高だった。(後述)

弥生、景子、咲ルートは指摘点は多々あれどエンディング前までが夢で
エンディング後、つまりエピローグは現実だと解釈したい。
というか、to be continuedで終わるエンド以外は現実につながっていると思う。
特に咲はエンド後にシーンが追加されるという点から現実への繋がりが示唆されていると考えても良かろう。

有栖(鳥海)ルートは王道ではあったけど、描写が丁寧で綺麗な終わり方だったと思うし、
やはり多くの人はこのルートを最後にプレイするべきで、それが一番後味も良いと思う。
舞亜もこのルートでのみ透と決別することなく受け入れられ、
以後共に生きていく?ことができ、一応救われているともできる。

しかし、個人的に一番心の撃たれたのは
舞亜エンドだった。
ここでは舞亜が望んだわけでもなく、
透の今までの生を無に帰してしまうもので、
透がいなくなったからこそいつか訪れるであろう現実では咲をはじめとして多くの人が不幸になる、
何の救いも無い結末を迎える。
だが、最後に一枚絵と共に展開される独白の中での舞亜の在り方には敢えて言葉にするならば美しいだろうか、
筆舌に尽くし難い何かが感じられた。
舞亜が何と言おうと、どんな存在であろうとそこにいるのは確かに「舞亜」だったと思う。
意味不明で自分でも何を言いたいかを完全には理解し得ないが、
舞亜エンドで何かを感じ、この拙い言葉の中で共感を得られた方は是非、
クリア後に舞亜の言葉の裏にあるものに想いを巡らせながら、舞亜エンドを目指してもう一度プレイしなおして欲しい。

ビターエンド好きの方というと語弊があるが、
心にくる終わり方を求める方及び、
私を含め一部の変人は舞亜エンドを最後に持ってくるとよりこの作品の良さを感じられると思う。