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黄昏の統括者さんのひまわり -Pebble in the Sky-の長文感想

ユーザー
黄昏の統括者
ゲーム
ひまわり -Pebble in the Sky-
ブランド
角川書店
得点
94
参照数
399

一言コメント

話が分かりやすく、登場人物の強い意志が感じられた。名作だと思う。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

期待値90 得点94

・達成率
コンプ
アイエス→過去編→アクア→明香→外伝小説3つ

・システム
ボイスカットあり。テキスト読破率表示。プレイ時間記録あり。tipsあり。

・シナリオとか
時は2050年。主人公日向陽一は2年前の旅客宇宙船の事故で両親と記憶を失い一人で暮らす高校生。
彼は先輩の雨宮銀河と自作ロケットで月を目指して宇宙部で活動していた。
陽一は家の屋根の上でいつものように星空を眺めていたら、隕石が公園に落ちていくのを目撃する。
公園に辿り着くとそこには宇宙船のようなものがあり、こじ開けてみたら中に少女が1人。
彼女はアリエスと名乗るも記憶喪失で何も覚えてない様子。
しょうがないので家に持ち帰る。宇宙人?との同棲生活のはじまりはじまり。

SFです。壮大な宇宙と生命の神秘が大きなテーマか。

アリエス
宇宙から来た記憶喪失の少女。ボケッとしてるけどよく笑う。向日葵の種が好き。
明香
主人公が2年前入院していた病院で知り合った女の子。宇宙産業を手掛ける西園寺グループのお嬢様。
アクア
明香の従妹。ミステリアスな雰囲気のする少女。陽一とアリエスのことを知っているようだが・・・。

・感想
スゲーおもしろかった。他ゲーの息抜きのつもりがハマって一気にプレイ。
本作の見どころは壮大なSFのバックグラウンドと、哲学にあると思う。
特にアリエス√クリア後に解放される過去編がよくて、主人公達の親世代の思いや夢が語られていて
心に残る印象的なセリフも多かった。また多くの伏線も張り巡らされており、
壮大な背景もあいまって大きなスケールで話が展開していくのでワクワク感も高かった。
女の子がかわいいのもグッド。アリエスとアクアはロリ。明香は謙虚で献身的とどちらも好みだった。
もとが同人であることを考慮に入れると間違いなく名作だと思う。
しかし文句というか欠点がない訳でもなく、
伏線を放置したり投げやり気味なエンドじゃなければもっと良かった。
残る謎についてはアクアアフターをさっさと買ってプレイすればわかるかもしれない。
最後のエンディングでは、過去編で語られた重要そうなSF要素が放置されて、
未来に向かってガンバローで終わってしまう。ぶっちゃけオチが小ぢんまりとしていて肩すかしをくらった。
たしかに本作の一番のテーマは人生観のようなもので、SF要素は背景にすぎないと言われてしまえば
そうなような気もするが、そのわりにはエピローグで人類の敵?のような存在が仄めかされている。
過去編で連呼された「人類を救う」ということばの真意は曖昧のまま終わったけど
続編前提のつくりだったのかなぁ。個人的にはSFなら時間を巻き戻して未来を変えたり
世界の真の姿に気づいて本当の敵と戦ったりする方が断然好みなんで少し残念でした。

アクアちゃんダウナーかわいい。俺の娘になれ!!

印象に残った台詞(うろおぼえ)
「生命は、生きるために生きている。」
「男は心にケモノを、女はバケモノを飼っている。」
「これは、人類にとっては小さな一歩だが、俺にとっては大きな一歩だ。」
「最初から最良の道を選ぶことなんて、誰にもできない。だって、そんなもの存在しないんだから。」

・キャラ評価(10段階)
日向陽一  7
アリエス  8
アクア   8
西園寺明香 8
雨宮銀河  8
アオイ   7
雨宮大吾  8
西園寺明  8
日向宗一郎 7
星乃明香里 6
ジョニー  6