シナリオがヒロインの魅力の足を引っ張ってしまった作品。(長文は前半は体験版部分までの軽いネタバレまで。スペース後の後半は本編のネタバレあり)
ブランド作品プレイ経験:無し
関連ブランド(CUFFS):Garden
関連ブランド(CUBE) :夏ノ雨・倉野くんちのふたご事情
将来を決めかねている主人公が就職という可能性も含めて進路を模索する為、Berry'sという(美少女揃いの)ファミレスでアルバイトを始める物語。
元々10年程前の、鈴平ひろさんとその仲間たちによる同人(か設定?)が原案になっているとの事で、良くも悪くも数年前の定番な雰囲気を醸し出している。
ファミレスの制服を3種類から選べるというのはPiaキャロットシリーズを彷彿とさせるが、お店のイメージとしてはpurpleのあるとを思い出した。
良かった点としてはメインヒロインを始めとして、外見的に魅力のあるヒロインが多かった事。
裏を返すと攻略させて欲しかったサブヒロインが多く、残念な思いをしたという事でもあるのだが。
サブしか担当していない原画家もいる事だし、HOOKのStrawberry Nautsみたいに短くてもいいからサブヒロインのルートが欲しかった。
悪い点としてはシナリオがヒロイン達の魅力に追いついていない所。
そのせいでヒロイン達自身の魅力にマイナス修正をせざるを得ないのが残念だった。
全体に共通するのは、無理に悲観的な部分を作ろうとして、そのせいで主人公かヒロインどちらかに悪感情を抱いてしまった、という所か。
そうじゃない時の雰囲気は良いので、もう少し軽め・明るめな題材を中心に行っていればもっと良い作品になったと思う。
セーブ:900箇所+クイック
シナリオ:3 序盤や中盤の雰囲気は良い。ただルートによっては前提が飛んだり無駄に暗くしたりと微妙な所も。
キャラクター:4 絵師の違いはそこまで違和感無し。むしろ何故ルートが無い、と言いたくなるサブヒロインが多かった。
BGM:4 無難。全体的に落ち着いた感じの曲が多かったが、雰囲気に合っていたと思う。
OP:3 悪くは無い。積極的に何度も見ようというほどでも無いが。
システム:3 セーブ数が多いのは良い。バックログからのシーンジャンプがあるとなお良かった。
主人公:3 基本真面目だし良い時は良いのだが、ルートによっては判断などに微妙な所があるのが残念だった。
プレイ順:由那→恵那→夏姫→踊子→祐佳→春姫
好きな順:由那・恵那・有葉・若葉>踊子・夏姫・綾>三月>祐佳・春姫>薫乃
■森久保由那(キャラ5)
主人公と同期のバイト仲間。メインヒロイン筆頭。
広義のツンデレで良く怒るが、理不尽さは少ない為不快感は無い。
主人公とパートナーになる相手としては一番しっくりきた。
■牧ノ沢恵那(キャラ5)
落ち着いた雰囲気で仕事を上手くこなすが、サボり癖のある猫のような少女。
発売前はメインヒロインの中で一番好みではなくサブでも良いと思っていたのだが、いざプレイしたらお茶目な所や意外と主人公の攻めで赤くなる点など、好きになる部分が多かった。
最終的に由那の次に好きなメインヒロインになった。
■佐藤春姫(キャラ3)
双子の片割れ(姉)で陽気な方。
妹の方がキャラデザインが好みな事もあり、桐谷華さんのキャラとしては珍しくヒロインの中で下の方に来るキャラだった。
後述するシナリオの方で評価を落としている事もマイナス要素。
■佐藤夏姫(キャラ4)
双子の片割れ(妹)で冷静な方。
外見は姉より好み。勤務中に落語聞くなよ、とか等の突っ込み要素で由那達よりも劣ってしまうのが残念な所。
■伊豆野踊子(キャラ4)
応援大好きなチアリーダー。
似ている訳では無いのだが、眼が紫な事と声質が近い事(+原画家に鈴平さんがいる事)で何故かSHUFFLE!の亜沙先輩が思い浮かんだ。
メインヒロインの中では個別に入ると出番が無くなりがちなのが残念。
■宝交祐佳(キャラ3)
主人公の妹。ブラコン。このブランドである事から想像は容易だが攻略可能。
ブラコン自体は嫌いじゃないが、割と理不尽束縛系だったのが大きくマイナス。シナリオによっては正直ウザいレベル。
サブヒロインの充実具合を考えたら束縛度を下げてサブヒロイン行きでも良かったと思う。まぁこのブランド(略)
■井筒綾(キャラ4)
何故攻略させてくれない、その1。Berry'sの最古参ウェイトレス。
メインヒロイン達が軒並み同い年か年下なので、年上ヒロインとして攻略可能にして欲しかった。
Strawberry Nautsの先輩達みたいにサブでもいいから。
■辰巳若葉(キャラ5)
何故攻略させてくれない、その2。永遠の初心者の二つ名を持つちょっとドジなウェイトレス。
フォローしてあげたいヒロインとしては一番だし、主人公に懐く姿も似合いそうなので双子や妹の誰かをサブに降格させてでもメインにして欲しかった。
突っ込みとしては立ち絵でほぼ常に小指を立てている点か。あれは変だ。
■五夢有葉(キャラ5)
何故攻略させてくれない、その3かつ一番そう思うヒロイン。
おっとりとしていて、隣にいると癒されそうな落ち着いた雰囲気は他のヒロインには無いものだっただけに残念。
■麻生三月(キャラ4)
一歩引いた位置から主人公とヒロインの恋を応援する独特な雰囲気を持ったウェイトレス。
上記三人ほどでは無いが、引いた位置から恋愛を見ている三月がいざ当事者になったらどうなるか、という点でサブのボリュームで良いから攻略させて欲しかった。
■束原薫乃(キャラ3)
ネットゲームが趣味なウェイトレス。
絵柄が全ヒロインの中で一番好みで無かった事もあり、サブの中では唯一攻略ルートが無くても良いと思えるヒロイン。
サブとしては悪くは無いが。
~~~~~~ネタバレ度小はここまで。以下、スペースを空けた後、ネタバレ前提のシナリオ評価~~~~~~~
~~~~~~ここからネタバレ全開放~~~~~~~
前述したが、ヒロイン達の魅力に対してシナリオの良さが追いついていなかった所が残念。
特に起承転結の承が(下手したら起が)すっ飛んでいきなり付き合いだしたり重要な話が始まったりしていて唐突さが拭えない部分も多々あった。
各ルートごとの感想については以下の通り。
■森久保由那√(シナリオ5)
相対評価ではあるが、全シナリオの中で一番良かったルート。
元々由那がメイン中のメインという立ち位置な事もあり、付き合う事が一番自然だと思った。
終盤のシリアス展開も他シナリオよりは納得いく展開だし、全シナリオがこのくらいの出来なら十分満足いく作品になっていたはず。
■牧ノ沢恵那√(シナリオ4)
当初はヒロイン自体に期待していなかった分、予想以上に良かったと思えたルート。
飄々としていて本気を見せない所が過去の経験から、としっかり理由づいていたし、それでいて恋愛関係では初心な所も見せるギャップも良かった。
個人的には(その部分自体はカットされているものの)恵那の親と主人公がきちんと対面を果たしているというのも好ポイント。
あと同じ学校の後輩である事が判明したり、学校でのやり取りがあったのも良かった。
■佐藤春姫√(シナリオ2)
元々メインヒロインの中では期待度がブービーだったが、恵那と違ってそのまま評価が上向かずに終わった。
正直あそこまで夏姫と幸せを一緒にしないといけないとする思考は理解出来ない。
付き合いが唐突に始まった事もマイナス要素。
あと主人公、春姫の成りすましくらい休憩時間になる前に気付け。
作品によっては全く見分けがつかない双子でも主人公だけは一発で分かる、みたいなのがあるだけに鈍さにモヤっとした。
宿泊チケットを探す辺りは個人的に好きな話だったのだが、良かったのはそのくらいか。
■佐藤夏姫√(シナリオ3)
主人公、春姫の成りすま(略)
気付かないまま春姫にキスした辺り、春姫ルートの時よりタチが悪い。
それ以外には赤ん坊の世話をするくだりがいくらなんでもあり得ないと思えた所もマイナス要素。
綾自身が仕事休みならともかく、そうでないのに赤ん坊を預かって店に連れてくるというのはさすがに常識が無さすぎる。
(この件で綾個人の評価がマイナスにならないくらい、展開としてあり得ないと思った)
正直夏姫が一番シナリオのせいで個人の魅力が減ってしまったのが残念だった。
■伊豆野踊子√(シナリオ3)
序盤~中盤の展開は悪く無かった。そのまま終わっていれば評価4にはなってたと思う。
ただ終盤で無理やりシリアス展開詰め込みましたという感じでライバルを出したのは微妙だった。
というか完全にただの八つ当たりで不快だし、それで急に涙流して仲直り、と言われましても。
■宝交祐佳√(シナリオ2)
何というか、ウザい。
聞く耳持たないヒロインとはどうしてこうも不快なのか。
しかも切っ掛けになった幼少期のままごとの時点で既にすれ違ってたとか、そのお蔭で全体が茶番に感じられたのが残念。
倉野くんちのふたご事情並みに背徳なにそれ美味しいの、な展開ならいっそ清々しかったのだが。
正直シナリオは由那・恵那を除くと期待値を下回っていたと評価せざるを得ない。
ただサブヒロインにも魅力的なキャラが多い事からFDを期待しているのもまた事実ではある。
その際は変にシリアス要素を入れたりせず、終始明るい話に徹してくれると嬉しい。