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野菜炒めさんの俺たちに翼はないの長文感想

ユーザー
野菜炒め
ゲーム
俺たちに翼はない
ブランド
Navel
得点
85
参照数
579

一言コメント

3章序盤まで凡作かと思ってた

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

テキストに癖あり。
3章まではすごい称賛されてるほど笑えるとは思えなかった。
ギャグ?のやり取りのノリがどうにも合わなくて笑えると言うより疲れてくる感じ。(たまに笑えるが)
その最たる例が2章。
基本的にバイト先のファミレスでバイト仲間とかと延々と会話してるだけなんでその会話に面白さを見出せないとまず無理。
評判は1章が一番良くないようだが自分は2章が一番キツかった。
多分下ネタやたら多かったのも原因の1つかもしれない。

ただ、後の鷲介編も含めてギャグ以外の会話は普通に読める。
いや普通に読めるってかこの人はギャグじゃなくて普通の会話書くのも上手いと思う。他ルートやってると特に思う。

キャラもファミレス組で別に嫌いなキャラとかはいない。英里子なんてむしろ好きなほうのキャラだし。
ギャグのノリだけがちょっと寒く感じることが多くてダメだった。

3章になると展開はマシになるが一部男キャラ(主にデブ)の口調が段々鬱陶しくなってきてもう普通に喋れよと言いたくなる。
正直3章序盤まで余りいい印象は無かったが多重人格判明後は見違えるように面白くなる。

そしてガルーダ陛下。
ここで初めて大笑い。なにこの滑稽なキャラ。テキストが神がかってるこんなん笑うに決まってる。
ライターの人もなんとなく一番楽しんでそう。

このガルーダと絡むことでフェニックス=皇帝も魅力が増す。この2人のちょっと変わった友人関係は好きだ。
なんでか陛下の5章は評判あんま良くない?みたいなのが意外。
ただの痛々しいキャラじゃないのに。頭おかしいのは否定しないが根はいい奴だと思うんだけど・・多分。
人格の中では一番損な役割押し付けられた可哀そうなキャラ。
何故に陛下に専用ルート(今回のあれは余りに短い)とヒロインがいないのか。

3人の個別。
鷲介自体は鷹士ルートとか見ててもいい奴なのは分かるけどこのルートでは多重人格設定よりヒロインとの恋愛重視だった。
個人的にはこの設定だと一番見たいのは他人格との絡みとかなんでその点では少し物足りない。
鷹士なんかは一応他人格との絡みあったし最終的には妄想世界に逃げ込むのを止めて多重人格障害と向き合って病院に通いながら生きていくという納得行く終わり方だっただけに鷲介ルートはなんかあっさり終わったように見えてしまう。

個別の中では・・と言うより統合ルートも含めての中では隼人ルートが一番好き。
キャラと印象に残る会話は他より頭1つ抜けてると思う。
夜の住人に色んなのがいて単純に面白い。
個人的には翔軍団よりマルチネスだとかメンマ、プラチナ、パルさんとかと会話してるほうが好き。
終盤それぞれの事情で屋台卒業して行くのは妙に寂しかった。それが喜ばしい事情であっても。
このルートは最後の鷲介と隼人の会話もちょっと泣ける。

統合ルート
人格が1つに統合され今までのキャラ達が総出演する集大成ルート。
前半の日常はまだ面白みがあるが後半が個人的には微妙。

小鳩が可愛いけど面白みの無いヒロインだったことと妹?従妹?無理に恋愛に絡める必要が無かった気がする。
恋愛感情抱く意味がよく分からない。
それでも恋愛させたいなら妹じゃなく幼馴染とかにして欲しかった。

人格分裂の原因の描写があっさり気味だったんで大層な事件であっても思ったより大したことない事件に感じてくる。
拍子抜け。

終わって見ると面白かったと本当に思える作品だった。
会話ゲー。ファミレス組のギャグのノリだけちょっと合わなかったがそれ以外は十二分に楽しめた。

最後に好きだったキャラ

男キャラ 陛下 隼人 ハリュー 翔 メンマ プラチナ マルチネス

女キャラ 京(付き合うのは嫌)パルさん 香田 日和子