主人公は好きになれんが話は面白かった。久々に考察も楽しい作品。
出だしのワクワク感はここ何年かの新作の中では群を抜いてたように思うが
主人公夫妻が報復するような展開になり始めた時はこれはつまらなくなるかなと思ってた。
理由は主人公チート設定。
最高傑作なのは分かるけど余りに戦闘において強く設定しすぎたためにドキドキ感がほとんど0に近い。
しかも相手側が極一部除きかなり小物に描かれてるんで正直報復ものとしてはつまらないけどそれぞれの一家の思惑だとか関係を見るのは本当に面白い。
もっと言えば主人公夫妻が出てない時のほうが話は面白いんよねw
この2人メインになるとほとんどエロとグロだけになってしまうし。
にしてもこの夫妻。
特に主人公のほうは好ましいと思える要素がほとんどなかった。
まぁ主人公は人間じゃないんだから共感も好感もないのも当然ではあるが。
それでも終盤までやってれば育った環境が違えばまともなまま成長出来たのかもとも思う。
別に産まれた時から狂ってたわけじゃないから。
そう考えたら七名家の人間すべてが犠牲者とも言えるけど。
そういう環境でずっと来たから仕方ないとは言え大体の人間が頭おかしい。
だから見てて面白いと言えばそうなんだけど比較的まともな頭してたの劉誠と透子、一蔵夫妻、後はギリで五社の娘くらいか。
個人的には劉誠なんかは主人公より好ましく感じた。
他から見たら嫌な奴ではあるんだろうけど透子に対する思いは純愛に近いんじゃないかな。
主人公夫妻に本当の愛情があったかどうかは疑わしいと自分は思ってるが劉誠と透子だけは数少ない作中での癒しだったんじゃないかと。
透子なんてあの境遇なのに歪むことなく優しいままでいたのが泣かせる。
だから主人公夫妻が最後死ぬのは別にいいけど透子だけは生きて終わって欲しかった。
可哀そうってことなら希なんかもそうだと思うけど。
結局はあのクソみたいな箱があるから良くないわけで最後はすっきり消滅させて欲しかったがそこはサスペンスホラーのお約束みたいな終わり方することに。
でも箱発動させるのに子宮詰め込まんとダメなわけでそんなもん渡されても即使ってやるぜ~とはならないと思うんだがあの記者も頭おかしいんだろうか。
取材相手も何代目かの希だし。
顔同じってことは代々箱から作られたってことなのか。
分からんのがなんで箱から出て来た希2世?が劉誠に襲い掛かるんだってこと。
希1世も叶子も劉誠にもう殺意なんて無かったはずだろ。
殺人マシンの主人公も子作りに関わってきたから生まれる子もまた殺人マシンなんだろうか。
そもそもなんであいつが箱所持してんだろ。
分からんと言えばもう1つ最大の謎が謎のまま終わったがあの先生なんだったの。
今回の黒幕が先生なのは確定としてなんでそこまでして七名家を滅ぼしたかったんだろ。
そもそも先生の狙いって七名家なのか四季家なのか。
四季家狙いなら叶子まで助けたのは何故。
なんかやることが中途半端でいまいち何が真の狙いだったのか分からないまま終わった。
ここだけはぼかしたまま終わらんほうが良かったと思うのだが。
でも先生の正体についてはなんとなく考えてることはある。
あの先生なんか人間離れしてるし日本人ぽくないからもしかしたら箱から産まれたのかなという感じはしてる。
江戸時代のいつ頃かは知らんが領主達を皆殺しにするために箱使ったのが最初で最後で以降ずっと使用せずに保管してたならいつ産まれた?ってなるけどあの外人が舟の上でなにかに襲われた?じゃれてた?そいつが実は生きててそれが先生なんかなと思ったけど果たして・・。
江戸の終盤辺りなら年齢的には一応アリと言えばアリだが。
そもそも箱から産まれたモノって歳取るんだろうか。
不死ではないけど不老なら。
あれが仮に先生なら確か8個目が領主の娘のはずだから村人に対する恨みも引き継いだのかな。
これなら四季家・・というより島民滅ぼしたい理由も一応頷けるが・・。
でも滅んだのは七名家で島民すべてではないのか・・。
主人公と叶子が箱を使うように仕向けたんじゃないかなとも思うんだけど。
結局これと言った決め手がないからなんかモヤモヤしたままなのが少し残念。