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野菜炒めさんのうたわれるもの 二人の白皇の長文感想

ユーザー
野菜炒め
ゲーム
うたわれるもの 二人の白皇
ブランド
AQUAPLUS
得点
85
参照数
89

一言コメント

ネコネ嫌わないで

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

なんかネコネ嫌われてるらしいの後から知ったがそれは酷じゃないかいと思う。
有能とは言えまだガキでしょこの子。
兄貴の命がやばいあの状況じゃあの行動も仕方ないのよ。

それはそれとして面白かった。
けど評価すごい高いのは知ってたからその期待値の高さから見たら不満点も目立ってしまう損な作品な印象。

不満点言うてもほとんど個人的なことになるけど
出だしの前作あらすじがクドすぎてうんざりする。
しかも音声でひたすらあらすじ読み上げるとこスキップ出来んし。
こんなもん別枠に用意して見る見ないは選択させてくれたらいいのに。
まぁ実際は2から3の間が空いてるからこういう強制説明も必要だったんかもしれんけど。

それとオシュトルを演じる主人公に思ったより慣れない。
レギュラー面子がハクと接してる時とそこまで差を感じない。
レギュラー面子の主人公死亡の気持ちの切り替えが余りに早い・・ように見える。
何年もずっと一緒にいたわけじゃないからこういうもんかもしれんけど。

他はなんであそこまでバレないんだろうってのがどうしてもw
さすがに何人かは薄々気づいてはいたようだけど。
ザ・たっちが仮面かぶるとかなら確かに見分けは難しいかもしれんけど。

窮地から開始してるはずなんだが全くそう感じないのも不満・・だったかも。
レギュラー面子が帝国重役の関係者ばかりで展開は割とミエミエだったからね。
圧倒的不利から少しづつ逆転していく流れが好みだから物足りなさはどうしてもあった。
皆でヤマト(というよりライコウ)をぶん殴ろう的なことに結構初期からなっちゃってた。

コメディ日常回が思ったより多い。
今回はシリアス1直線かシナリオ重視のほぼシリアスかと思ってた。
これなら2であそこまで日常に偏らせんでも良かったような。

周りの女キャラが主人公に惚れすぎ。
恋愛ゲーじゃないんだからなんでもかんでも主人公に惚れる設定は鬱陶しい。
例えばアトゥイ。
イタクとくっ付けたらいいじゃんと思う。

別にアトゥイが苦手だから押し付けようってんじゃない。
今作に限れば主人公に惚れてるのなんてクオンとルルティエだけでいい。
さすがにユーザーに気使いすぎでは。
だからキウルは人気ありそうなネコネじゃなくて誰もそういう目で見ないだろう幼女を押し付けられた。

終盤はちょっといいシーン入るとやたら歌い出すから笑ってしまう。
あれはここぞという時の1回限りのほうが印象残ると思う。

最後はフミル出すくらいならクーヤさん出してやれよと思ったくらいかな主な不満点。
フミルとか最初誰のことか分からなかったぞw

良かった点ならまず戦闘バランス。
非情な即死が敵味方共になくなって優しくなった。
これだけだと超ヌルゲになるんじゃないかと思ってたし実際途中までは過去一簡単だと思ってたが
中盤?以降いい感じの難易度のステージ増えてきてたように思う。
ストーリーもSLGも両方楽しみたいからある程度やりごたえのある難易度だと有難い。

それと今回も前作以上に良いシーンは多かったと思うけど個人的にはやはりマロロかな。
オシュ母とかも勿論いいんだけど積み重ねが。
愛着に差はどうしたって出来てしまう。
マロとか前作からの付き合いだしネタキャラかと思ったらいい奴だし気に入ってたから余計・・てのもある。

そのマロが死んだ原因にもなってるライコウ。
絶対小物だと思い込んでたこのキャラが想像と違って良キャラだった。
これはいい意味で裏切られた。
帝への忠義はそのままだけどあの中では唯一そろそろ自立すべきと考えてたってのは読めなかったなぁ。
まぁ主人公との戦術合戦自体は心底楽しんでたんだろうけど。
腹心がスパイと知りつつも今までの忠義に答えて敢えて帝の作り物の仮面を使って最終決戦に挑むってのがまたいいよね。
純粋にキャラとしては一番好きかもしれん。

一番評価出来るのは一応戦術では主人公に負けてはないのよ。
そういう能力は明らかにライコウのが上なのがはっきりしてたことは良かった。
これが主人公立たせるために毎回ライコウが戦術で純粋に出し抜かれてたら多分すごいつまらなかったと思う。

結局そのへんを埋めてくれたのは主人公から見たら仲間達なわけで。
そういうとこは本当よく出来てたと思う。

その後出てくるウォシスがどうしても見劣りはすれどウォシス君があんなことになってしまうのも無理もないこと。
あんなの誰だってああなっちゃう。
あれは誰が悪いかで言えば帝になってしまうんよねw
ちょっと会話というか意思の疎通が足りてなかったかもね。

ラストはどうなんだろこれ。
完全ハッピーエンド・・ではないよね。
ハクオロさんから見たらそうかもしれんけどハク側から見たらビターエンド?
いやそう悪いもんでもないのか・・・?
にしたって想い人とは一緒になれず友と呼べる人材2人もいなくなる主人公は
いくら美少女双子引き連れた神生活でも割には合わんだろう。

今後どうなるのか興味はひくけど本編はこれにて終了。

夢幻演武はおまけなのに前作以上のボリュームと難易度で満足。
一部ステージはクソステージだとやってる時は思ったけどw
絶妙にムズいんよね。
トゥスクルのロボ今回も出てたけど異常に強くなってる。
この強さで前作みたくワラワラ出てたら完全に詰みだわ。

今回からの新メンバーは全員有能だった。
唯一ムネチカ殿だけは本編中は性能ゴミだと思ってたが夢幻まで考えると実に優秀な盾だった。
お気に入りはアンジュ。
闘うアンジュが可愛くて仕方ない。
火力特化型で装甲と足の遅さはあるけど。
贔屓してよく使ってたけどさすがに演武終盤ではやや控えも増えてたかも。

今回も堪能したな~って感じ。
シリーズ3連続だったからこの世界ともこれでお別れともなるといつも以上に寂しさは残るけどプレイ出来て良かったと思う。