明治の
明治時代、鎖国状態の山奥の村に開国しなさい(納税してね。みたいな)という説得を依頼される主人公。
そこで元軍人の主人公が村人やヒロイン達との交流を通して心の平穏を取り戻していく感じはどこかの元人斬り流浪人みたい。
勿論最初は上手くいかない。
閉ざされた村にありがちなよそ者に対するアレだとか山の神の祟りだの人柱だの生贄だのそういうのが根付いててそれを段々と解明していく感じ。
本当は外の世界に興味はあるんだけど祟りが怖くて出られないだけだから文明アイテムとか食べ物持ってくると反応が楽しいんよね。
外国人が初めて日本来た時に新鮮な反応するのニヤニヤ眺める感じに近い。
個人的に全体的に見てもこの辺りが一番面白かったかなと思う。
興味をひく謎と心温まる交流。
いいバランス。
ここまでは大体前半でこれ以降選択を迫られてからが後半になる。
作中選択は1つなんだけどどっち選んでも結構大変なことになる。
どの道行こうが必ず犠牲は出るので片方が明確なハッピールート、バッドルートになるよりは面白かったと思う。
言い方は悪いが物語上必要な犠牲だった。
それでもそれすら受け止めて前に進まないといけない的なのもテーマだったと思うので。
ヒロインが死ぬか村が壊滅するかで分岐しその後壊れ気味になった主人公を今度はサブヒロインが救うみたいな流れ。
多分ほとんどの人が最初はバッドエンドの匂いのする下ルート選ぶと思う。
下ルートはアンジェリカが好きだったのもあってまだ楽しかった(弥十郎初めての上京も含め)けど上は正直結那にそこまでの思い入れが無かったのもあるし主人公を救うという流れが下と同じだったことに加えて結那は作中色々考えてたけどなにがどうなってんのかはほとんどすべてこっちは分かってるためその点では終盤ちょっぴり飽きが来てたかも。
終わり方も下のが好み。
安易にアンジェとくっつかず再会の約束はすれど生きて戻れる保証もない戦地に向かう汽車の中で今までの出来事を思い起こしここでようやく自分の在り方に気づく主人公。
この流れが上ルートの終わり方よりジワジワ来ていい感じ。
またテーマとしても大勢のためなら少数の犠牲は構わないだとか周囲のためなら自分は殺すべきだみたいなのもあって主人公と十波それとヒロインふゆで上手く表現出来てた印象。
共感できたり出来なかったりで色々考えさせられて中々面白い。
十波なんかは面白いキャラだと思う。
主人公や特に村人側からしたらとんでもないクソ野郎なんだけどもっと大きな国視点でみた場合必ずしもクソな考え方ではないのがまたなんとも。