全ルートで泣けるかもしれない。いまいちマイナーらしいけど名作に片足突っ込んでるような気がする。
やる前は期待半分不安半分だったが素晴らしかった。
主人公が閻魔の息子でヒロインたちの過去を知り生前の罪を裁くというちょっと変わった設定。
舞台は所謂あの世。
これの前にやった「もしも明日が晴れならば」も決して悪くはない泣きゲーだったが泣けるということなら個人的には
こちらのが断然上だった。
そういうシーンは主に個別終盤になるけどヒロインたちの過去から断罪の流れが秀逸なのとBGM、見せ方、声優の演技、テキスト、主人公のいい意味での人間臭さ。 全部高いレベルで噛み合ってたからかなり胸に響く。
自分は最初ナユから開始したがED流れ始めた後も少しの間呆然としてた。
公式にもある大切な何かを見つけるというテーマを三者三様違った形で見せてくれる。
ただ泣けるというだけでなくテーマ通り印象に残る台詞やシーンも多いのが好印象。
クオンは評判通りの出来で確かにここまでやらないと物語は完結しないと思う。
これをやることで今までのすべてが繋がる感じ。
正直途中まではいい出来だけどこれなら前の3人のがまだ泣けたかなと思ってたけど最後の最後にやられた。
この作品は本当に見せ方が上手い。
名作に1歩届かないのはやはり共通ルートのドタバタコメディが原因だろうか。
でもこれも言われてるほど酷いとは思えなかった。
キャラのやり取りは嫌いじゃなかった。
これは主人公の性質も結構関係してたかもしれない。
1人称こそ俺様だけど結構まともですごいいい奴だと思う。
それでもコメディのノリが多少くどいかなと思う部分はそれなりにはあったんで合わない人いるのも分かる気はする。
まあそれならそれでそこだけ流し読みすれば済む話だしそれでこの作品クソゲ扱いするのは余りに勿体無い。
それと曲が全体的に高レベルだと思うしクラシックのアレンジ版流してたり場面場面に結構曲が合ってたと思うけど
一部自己主張の激しすぎる音量のやかましい曲もあったのが難点。
後はクオンルート。
丁寧な描写されてるのは分かるけど少しだけ途中で間延びした感じがしてしまう。
これは他のルートの個別がコンパクトで程よい長さだったから余計そう感じたのもあると思う。
しかしこのルートの終わり方は・・。
切ない系はどちらかと言うと好きではあるけどもう少しなんとかならんかったのか。
いや下手にご都合主義に走らなかったこの終わり方だからいいんだろうか・・。
気になったのはそのくらいで後は概ね良好な出来だった。
4つのルートはどれも出来が良く多分人によってどのルートが一番響いたかは違うんじゃないかと。
いまいちマイナーなのが信じられないくらい久々の大当たり作品だった。