自分がロープライス作品で探し求めていたモノを完璧に応えてくれたもう一つの作品のカタチ
恋人言うにはちょっと遠く、友達と言うには近すぎる距離。
順番を間違えた そんな二人のお話。 曖昧な関係から始まる
―――「あなたのことが、ずっと…ずっと…好きでした」
俺たちは、いつの間にか相思相愛で再会した
俺ちはこの数年越しの恋愛を…
今こうして社会人の恋愛として享受した。―――
<前書きの前書き>
突然ですが、
自分の中でロープライス作品というものについて、自分の中でイメージする理想の完成系のカタチがあるのですが、
一つは自分が既に感想を投稿している「QUALIA ~約束の軌跡~」であり
この作品はもう一つの完成系の作品としてこの点数を付けます
あちらはロープライス作品の中でフルプライスゲームの1キャラ分のシナリオルートを切り取ってきた作品としての完成系であり、
こちらはロープライス作品の中でフルプライスゲームの1キャラ分の恋愛ルートを切り抜いた作品としての完成系でしょう
自分がロープライスでの恋愛作品に求めるモノとして全て描かれていたので文句なしの点数です
この作品をプレイする前にまず、諸兄がこのロープライス作品に求めるモノの確認をしたいです
・抜きゲーをご所望ですか?→他の作品へどうぞ
・エロシーンに期待してますか?→他の作品の方がもっと軽くできます
・イチャラブが見たいですか?→他の作品の方がもっとバカップルしてるのは沢山あります
・恋愛、純愛がみたいですか?→他の作品の方が正当な恋愛過程を踏まえて見れます
・青春ドラマを見たいですか?→他の作品の学園モノの方が青春できます
・社会人同士の恋愛が見たいですか?→他の作品の方が大人でストイックな恋愛が見れるでしょう
・フルプライスゲームの個別ルートのような青春シナリオが見たいですか?→この作品をプレイしてみるのはアリだと思います
・青春をし損ねた社会人同士の遅れた恋愛が見たいですか→この作品をプレイしてみてください
・面倒くさい女の子が好きですか→この作品を是非プレイしてください
・青春をし損ねた面倒くさい女の子との社会人同士の遅れた恋愛が見たいですか→この作品をプレイしないと人生損しますよ?
※今回の感想はいつもよりゲーム中の内容に触れ、ネタバレ紹介しながらの感想になるので上記に当て嵌まり、
プレイしたくなった方でネタバレを回避したい人はすぐに戻って下さい
少しでも興味を持った方は、自分の感想を見て少しでもプレイしたくなってからでも戻ってプレイしてみて下さい
自分の駄文でこの作品に興味が湧きプレイしていただければ幸いです
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<共通前置き>
これまでちょこちょこ有名なエロゲー作品をやってはいましたが、
ここでふと至高の妹キャラとは何かを本格的に探し求めて、この批評空間での情報を元に色んなゲームを買ってプレイした感想を書いていきます
中古値段で買っているので自分の点数には販売価格は殆ど含まれていないという事を留意して頂きたい
基本ネタバレです。読んだ方の興味や参考の助けになれば幸いです
<以下本文>
本作品の感想は自分の感想投稿100作目ということで、何を書こうかと迷った末、数ある作品のうちこの作品を選びました
この感想を書くために最初からやり直してみる程に好きな作品です
そして現在数あるロープライスゲームをやってきた後にこの作品をやってみて改めて思いました
「このゲームに余計な部分全くないわ、完成してる」と
このゲームはエッチシーン垂れ流しや数珠繋ぎにしてるゲームとはまるで違うので、そういう目的でこの作品をプレイするのはお門違いとしか言えません
またしっかり恋愛過程のシナリオが作られているので、無条件で好感度MAXから始まる恋愛ゲームとはまた違うのでそういう目的でプレイすると面倒・違和感があると思います
それはなぜか?
間違いなくこのゲームはヒロインである千尋ちゃんの事が好きにならないと多分評価が落ちます
というより、フルプライスゲームであれば本来プレイヤーが好きなヒロインを選択してから個別に入ったようなシナリオになります
そりゃフルプライスゲームでヒロインが沢山いる中で、
例えばプレイヤーが選んでもいないヒロインの個別ルートに勝手に強制的に入られてたら、面白い物も面白くなくなるでしょうね
シナリオもあってか、このゲームをプレイして合わなかったという方はその感覚になってしまったのだと思います
ですので評価でロープライスとしては珍しくヒロインが合うか合わないかが焦点となっている気がします
ここで、「それはロープライスの作品としてどうなのか?」ということについては論じません
最高のロープライスゲームとは何か?は、まだ私も探している身なので…
またこの作品について一部の先達の方も評しておりましたが、
例えるならこのゲームは、
「高校の恋愛ゲームのキャラ攻略で、ヒロインを個別ルートに入る直前までイベントを進めたが、好感度があと一歩足らず個別ルートに入るイベントが起こせず、卒業してしまうBAD ENDを迎えた二人が、その後社会人になってもし再会したら?」
というifゲーム的な内容を想像するとわかりやすいと思います
さてここからゲームの内容についての自分の紹介・感想です
このシナリオのあらすじは
「高校3年間偶然同じクラスメイトになり続けていた男子と女子が、
その3年間で抱いた想いを当時は言葉に出来ず、お互いそれを告げないまま卒業し、
その3年後社会人になってから偶然再会するストーリーです
再会した時に主人公が会社の同僚にまだ童貞であることをイジられていたところ、
ヒロインがそれを聞き主人公がバカにされた事が許せなくなった彼女は自分で童貞を捨てて見返して見ろと提案をしてきます
心のどこかで高校時代の想いがよぎるも、勢いに押され彼女と初めての肌を重ねます
驚くことに誘った彼女の方も処女であり、破瓜を見て止めようとする主人公に大事な想い出にしたいと彼女の言葉を聞き入れ、
二人の普通ではない初体験を済ませます
そして初体験を済ませた主人公に彼女が浴びせる一言
「彼氏面すんな」
こうして順番を間違えたそんな二人のお話が、曖昧な関係から始まる」
という感じです
再会した相手にいきなりお互いの初体験卒業式持ち掛けるってどうなん?と思った方は最後までやってください
ヒロインにも色々問題を抱えてて、既にこの二人には高校三年間の下積みがそのまま引き継がれている状態なのでその実、好感度かなりMAXの状態ですので少し魔が差す、そんな必要性もなくそうなってしまった流れです
ありませんか?久しぶりにあった女子と急に再会すると昔の事しかお互い知らないのに今のお互いも全部知ってる気になって仲良くなれる事
…ありませんか。僕も一回しかないです…
話を戻します
こうしてゲーム開始では真っ当な恋愛からスタートするわけでなく、いわゆるセフレの関係として始まります
しかしそれもすぐに主人公は自分の想いに気付き彼女へちゃんと告白しますが、彼女はこれを最初は拒否
責任が持てないと断る理由を告げますが、然るべきタイミングで告白してくれたら考えるとも告げられ、
主人公は彼女への想いと決意を新たにします
このヒロインのスペックが高くて、今風の現代版「お嫁さんにしたい子No.1」の理想形といった存在です
気配りも出来る一方で全てを背負い込みがちな彼女の助けになりたいと、高校の時の想い出と共に彼女との関係を続けます
スマホでの二人の日常的な他愛のないやりとりとか丁寧で本当にもう…
「恋人言うにはちょっと遠く、友達と言うには近すぎる距離。」
もうセフレじゃないよねこれ?
―――「私の場合、間違った仕事の正義感って言うのかな…? それで毎回色々な人とぶつかっちゃうんだけど」
中盤では、そんな彼女が仕事が長続きしない理由を確信し、
彼女の為と能力を買い主人公は自分の会社で働くことを勧め、見事彼女自身の能力で就職します
ここではもうセフレというよりはもう半同棲生活を迎えていますが、付き合っていないのでまだ恋人ではありません
それでも隠れてのオフィスラブも生活の一部として始まり、どんどん距離が近くなります
ここらへんはもう完全にバカップルの領域に入ってますが、まだ恋人でないことが二人の壁となっています
彼女の方も高校時代での主人公との想い出を思い出しており、もうそんな壁はすぐに壊せる状態なのですが、
彼女はまだ壊させてくれません
しかし終盤では遂に再告白をし、彼女に受け入れた貰い正式なカノジョとしての生活が始まります
ようやく恋人として生活するようになり、恋人のようなエッチも増えるのか…と思いきやそうはなりません
―――学生時代からの知り合いだからか、何をしても過去の自分たちと重ねてしまって恥ずかしいんだろう。
ここからはセフレとして今まで順番がおかしかったことを取り戻すような二人のやり取りが差し込まれてきます
クソアプリを二人で遊ぶとか膝枕するとか…
そんなセックスする前どころか、学生同士の恋人がするような事をこのタイミングで入れてきたことに、
1週目のプレイではなんでこんな時に?と思いましたが、2週目のプレイでは絶妙なタイミングで敢えて入れてきてるのを実感しました
もっと早くするべき二人の、高校の頃の青春時代にすようなやり取りをここで取り戻させてるんだなと思います
そうして結ばれたカノジョは幸せを噛みしめながら、今度はこの関係がいつか終わってしまうのかと気にしすぎて不安に徐々に憑りつかれて行きます
高校の頃からずっと彼女の傍で見てきた気を配りすぎるカノジョの不安を十分に判っている主人公は、
カノジョの不安を取り除くために正式な同棲を申し込みます
それはもはやプロポーズであり、
―――「ずっと後悔してた、なんで卒業するまでに俺…お前に告白しなかったのかなって」
「いつも自分より、他人のことばかり気にするお前が好きだった」
「ずっと言いたかった」
「好きだ、付き合ってくれって言うよりも先に…」
「そこまで周りに気を遣わなくても、大丈夫だぞって」
―――「うん、覚えてるよ」
「私あの言葉、今でもずっと耳に残ってるもん」
「あのとき私、ちゃんとあなたの気持ち受け取ったよ?」
「『◯◯◯◯』」
「文化祭準備のあの日から、あの放課後から…」
―――「あなたのことが…、ずっと…ずっと…好きでした…」
その後ENDで3年後のエピローグにて彼女たちが幸せになる姿とやり取りが見れます
相思相愛で再会した数年越しの恋愛を、社会人の恋愛として享受した二人の物語の結末を、
ぜひプレイして確かめてみてください
『◯◯◯◯』の言葉もぜひ当ててみてて下さい
好きな子に向かって言う言葉ではないのですが、しっかり彼女には真意が伝わってたようです
さて、全てプレイして総じて思ったのが、
「プレイして要らないと思ったシーンが全く無かった事」です
日常描写は元より、社会人だからこその付き合い方のカタチ、二人がお互いを好きになっていく過程、理由、
そして過去の高校の二人の想いなど、どれをとってもロープライス作品として充分しっかり描きあげられていました
何よりヒロインの千尋ちゃんが可愛いです
社会人時の会話やら、他愛ない時の会話の時はハキハキ喋るのに、
二人きりの時やらエッチシーンの時には急にウィスパーボイスになって照れたりするもんだから、
なんだか本当にこういう子が現実にいそうなんですよね
エッチシーンにしてもヒロインのCVである葵さんの演技が上手く、気持ちよく絶頂するときの喘ぎ声やらが声にならない掠れ声で搾りだすように出すものだからリアル…というか凄くエッチぃ
作品中でも千尋ちゃんが自分でも言うくらいM寄りなので、主人公もそれに応えて一緒に気持ちよくなってる感が凄いです
彼女もそんな主人公の気遣いを理解して嬉しくなっちゃうもんだから、そりゃもうすぐにセフレなんかじゃ説明つかない関係になります
そんなんだから恋人になる前から既に、中出し大好き状態でしたので「妊娠したい」「妊娠させてぇ」と懇願エッチしてくるのも破壊力ありすぎです
もしもの時はもう既にその時から責任取る覚悟同士の二人だったので、それはそれで別の未来が見えた二人かもです
エッチ後のピロートークも日常シーンに溶け込んでてしっかり読み応えがあり、主人公とヒロインの仲がセフレなんかじゃないことがよくわかる内容になっています
しかも3回もあるので存分イチャイチャを楽しめます
そして大事なのが、「エッチシーンに余計なシーンがない」ことです
エロゲーなので、ノルマなのかなんなのか無理にでも色んなエッチシーンを義務感覚で入れてくることが多いと思います
その最もたるものが自分の中では「アナルプレイ」と「オモチャプレイ」なのですが、この余計な二つがこのゲームには一切ありません
ノルマのようにエッチシーンだけを無理にくっつけたいせいなの何なのか、エッチシーンだけヒロインのキャラとか趣向が変わってるゲームを山ほど見てきました
そういうのは不自然でしかないです
この作品にはそのような物がなくエッチシーンがシナリオの一部として地続きでしっかり読めるようになってるのが本当に気持ち良い物でした
何で純愛作品の清純派ヒロインや主人公が出会って間もなく急にアナルプレイをしだしたり、玩具を突っ込んで開発しようとするのか意味不明で別世界感を味わう要因だったので、これがなかったことはとても満足です
そういうのはそういう作品やルートでやって欲しいですね
この作品は高校時代から結びそこなった恋愛を3年越しで社会人になってから叶える物語です
その少し遠回りをして結ばれる恋愛を見てみたい方は必ずプレイしてみて下さい
間違いなくおススメできる作品です
自分はこの作品をやったのが早すぎたと後悔した程です
これやってしまうと、他のイチャラブ作品じゃ物足りない、というか土俵が違う相手とずっと比べられるような状態になってしまうなと思いました
それだけこの作品凄いです
最後に点数ですが、非妹ですがテキストのみですが妊娠あり(CGで見ることはできませんが、多分妊娠安定期前の為多分膨らんだお腹見れず…残念)で加点したいところですが、
まぁ加点する必要なしですね
キモチ的には100点じゃなくて120点ぐらい付けたいところです
本当にこの作品がプレイ出来て良かったです
あとCVの葵さん、素晴らしかった
またどこか別の作品でお会いしたいです
―――日向千尋は仕事が出来る。