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羊子さんの処女宮 ~栗毛の潮吹少女たち~の長文感想

ユーザー
羊子
ゲーム
処女宮 ~栗毛の潮吹少女たち~
ブランド
mini
得点
85
参照数
865

一言コメント

ロリ百合という新境地。百合というと道具を使うイメージがあったが、これは殆ど使用せず、ひたすら口と手というのが、性に目覚めた少女達の手探り感がよく出ていた。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

唯一出てくる道具は千夏が持っていたマッサージ器。
しかも猫の手という可愛らしいもので、あくまで雰囲気は壊れない。
最後まで処女のままというのも、ダメな人にはダメだろうが逆にエロい。

白と紺の清楚な制服が設定にあっていて素敵。
重たそうなジャンパースカートとか、委員長の胸の名札や出席簿が郷愁あふれる。
学園ものの制服というと、華やかな色でリボンとフリルが乱舞して
制服というよりコスプレめいたものが多く、それでHしてもなにも
思わないが、こういう実際にありそうな制服だと背徳感が増す。
胸のリボンで縛るシーンもよかった。

主人公が天然なので、ひたすら受身に回っているのかと思いきや、
攻めに転じるのもあって楽しめた。
電車の中でユキが痴漢して、その後ティッシュでフキフキしたり、
売り物の下着を直接着けて、最終的にはそれを購入するなど細かい気配り。
ユキのテクニックは、やはりイギリスで覚えたものなのだろうか…。
チャイナ風部屋着が可愛い。
しかし卒業一週間前に転校はさすがに無理があるような…。

黒バックが多かったのが残念。
最初は気がつかなかったが、一度気がつくと、またか…とゲンナリしてしまう。
既読スキップは、場面ごとのスキップなので場面転換するたびに
いちいちクリックし直すのが手間。
セーブも、冒頭の場面から巻き戻ってロードになるので不便。
2つ重なると、作業っぽさが増して快適とはいえなかった。
学校と学院が混在しているのも×。
厳格なシスターアンジェラと、浮ついた槇の声の人が同じなのは意外だった。

統一感を出すためという理由で、原画さんが彩色も手がけるのが
このブランドの特色。たしかに原画を殺さない塗りだが、負担が増して大変そう。
そういう理由もあってか、枚数は少なめで雑に感じるCGもチラホラ。
着衣状態の絵は見られるが、裸でからんだり寝そべっているポーズは
苦手らしく、急に崩れる。

卒業式までの一週間という短い期間だが、もっと長くプレイしていたかった。
寄宿舎での夜中のお茶会とか、Hシーン以外のそういうエピソードをもっと見たかった。
デビュー作で百合ゲーを作った心意気はすごいものがある。
ユーザーの声を大切にしてくれただけに、解散は残念。