隣人は伊佐坂さん。すなわち、この物語に登場する“家族”とは某国民的アニメに出てくるような家族・・・ではなく、血縁もなく、“家族”に対して何かしらのコンプレックスを持っているという共通点をもつだけの、社会からはみ出した他人の集まり。そう、それは、偽りの、“家族”の物語――
“家族”とは血縁ではない、そのことを思い知らされた作品であった。
作品の終盤で、寛は偽りの“家族”の終了を告げる。それぞれが新たな道を歩んでいくために・・・。
しかし、最後には全員が“家族”のもとに帰る。
“家族”になることはできても、やめることはできないのだから――
帰るべき場所はそこにしかないのだから――
―――“絆”という強い結びつきで結束した、高屋敷の家族に――――