幼馴染とメダルゲーム、そしてお姉さん。良いノベルゲームだった。
まず幼馴染可愛いなで終わり、製作の名前に驚くのが始まり。
逃避した先で恋愛するゲームや創作はこれまで幾つか読んできたが、その中でもノベルゲームとして丁寧に作られていたと感じた。幼馴染の視線だったり、お姉さんの笑顔の差分がとても可愛い。選択肢から派生するエンディング、オリジナルbgm等も没入に一役買っている。
幼馴染と恋愛する序盤もそれなりに満足できるものになっているが、その先の過去の描写がとにかく重い。影響されてプレイの合間に自身が虐げられる夢を見ました。それくらいリアリティを感じた。
「ゆうくんがほかでどうしてようと私たちの間では関係ないんだよ」
良い形の逃避だなと思った。結果としてはお姉さんを救えなかったことが遣る瀬無いが…
「また楽しいこともあるかもしれないんだ」
と立ち直る瞬間をはっきりと描いてくれたことも良かった。こうした苦悩は現実を振り返る余裕を少しだけ与えてくれて、これを届けてくれた製作陣に感謝したい。