物語を読むというよりは体験型の、探偵として捜査をしていく話だった。ハードボイルドで終始楽しかった。
無印の殻ノ少女は未プレイ。
猟奇的な事件を追うサスペンスではあるが、恐怖を煽られるようなことはほぼ無く、無辜の市民を護ろうと必死になって証拠を揃えていく捜査に夢中になっていた。
捜査がとても楽しい一方、時坂玲人を通して見るとあくまで探偵としての一面が強く、物語性が弱いと感じることもある。しかし後半は事件がどんどん繋がっていってとても盛り上がった。銃を突きつけるシーンとか大好きだ。
・bgm
推理時bgm のReasoning と捜査bgmのInvestigationが気に入っている。推理専用のbgmがイノグレのflowers四季にもあって、これがあるだけで一気に気持ちが切り替わるので、作品で毎回用意してくれて感謝。
・主人公のボイス
時坂玲人のボイス はHDで収録されたと聞いた。彼のボイスがあることでシリアスなシーンで臨場感があって、よりハードボイルドな雰囲気を作りあげて良かった。真面目で正義感を持ち、由紀子を亡くした寂しさを抱えた大人のキャラに低く落ち着いた声がよく合った。
ちなみにhシーンにまでしっかり付いている。これはデート等ヒロインと一対一で話しているときもそうで、おじさんの淫行を目撃したみたいな気分になって好きじゃなかった。
↓ネタバレ多め↓↓↓↓↓↓↓
・攻略について
推理は難しくないが、これから何処へ行こうか──というマップ移動が一番難しい。移動先のヒロインの好感度が分岐にもなる。hシーンも回収するなら結構面倒くさい。
『遺体遺棄方法』という推理の重要なフラグがいつも留守の高城医院にあるというのはやめてほしかった。
・事件について
トジ子が
「あー、センセがおるとー」
と似非博多弁だな、『と』の使い方が変で可愛いな、と思っているところにあの事件で悲しかった。
指輪を死亡フラグと気づいた人は絶望したんじゃないだろうか。
ガイシャの死体は美しいとは言えないが、忘れられない印象的な見た目をしている。時々目がこちらを見ている気がして恐ろしかった。
犯人達については事件を起こした感情や動機はある程度納得できるものだった。被害者への共感が薄すぎることは気になったが。
「聖なる生命を不当に奪う事がどれほど罪深いものかを解らせる為でした。快楽を享受するだけの性行為は放されないのです」
六識命の強い思想は少し好きだ。
・ヒロインについて
紫
もし冬子がいなくてもその内兄の寂しさを解いていったのではないかと思っている。時坂玲人の本当に帰るべき家という印象があった。
家族だから一緒にいることが当たり前になっていて、イベントが無くても尊い時間だった。その代わりか、世間知らずに異様な虫好き以上に周りを掘り下げられることも少なかった。分岐のendでは身体が丈夫すぎると怪しげなことを言われ、次に繋がりそう。兄妹の温かい関係が何処に向かうのか少し怖い。
冬子
時坂との歳の差のある風変わりなカップルがとてもお似合いで、時坂と絵の話をしているときの表情が輝いているように見えた。
「探して欲しいんだ。──私を。本当の、ね」
からという最初の依頼。蓋を開けると、身内が事件に関わる悪い人だらけで可哀想になった。冬子生存ENDの冬子がとても綺麗に見えた。
いつも時代がかった言い回しが素敵で耳に残っている。
虚ノ少女で何が出てくるのか楽しみだ。魚住とのタッグもまた見たい。