泣きゲーの皮を被った電波ゲー
結論から言うと、このゲームはかなり人を選ぶ。
なぜかというと、作品で登場するキャラクターたちは物語で生きる「人間」でありながらも、ある種の「象徴」となっていて、一部のキャラクターの行動や物語の展開は論理的なものというより、作者が持つ美学の表しではないかと個人的に思う。美学云々を抜きにしても、キャラクターたちはほとんど「自殺願望」みたいなものを最初(物語が始まっている時点)から持っていて、似たような経験がなければ、キャラクターたちの心境を理解するのも難しい。だから、物語が進むにつれて、違和感を感じたり、不快に思ったりするのも無理はない。特に序盤はあれだけ癒し系の泣きゲーみたいな雰囲気を出していたから、そういう期待を持ってしまうのも頷ける。ただ、騙されるな。これは泣きゲーではなく電波ゲーだ。感動ものであることに変わりないが、その感動を共有するハードルが高い。自分みたいに波長があっていれば、このゲームにすごく救われた気分になるが、波長があっていないとトラウマになりかねない。そういう作品なんだ。だから、「自分に合ってない」と思ったらすぐにやめた方がいい、メンタルのために。