関係性を描いた良作であるが、ASaProを求める人は回れ右してコイバナへ
前作の恋ロワでメイン4人ではなくサブの由奈にすべてをさらわれた反省をして生まれた作品と理解している。
個性が強いヒロインに主人公が振り回されることが多いメーカーだが、本作では二又という関係性によって振り回したり振り回されたりしてキャラのインパクト以外の魅力を足してヒロインの人気を分散させようとしたのではないだろうか。
変顔と勢いで押しきる作品ではないので、メーカーのイメージを外してプレイすることが推奨される。
さて内容であるが(社会的な善悪はさておき)ばれたくない気持ちととキープしたい気持ちの主人公と主人公の本命であるが主人公に興味が無い結愛、不思議な宮古、二又を知ってるルイルイ、なにもしらない煌というやや複雑な関係で物語が進む。
振り切ってドロドロした展開でも面白かったとは思うが、ちょい重めで止めて関係性を楽しむ余裕を残している。
主人公がキモいのは、重くしたくないの裏返しと思われる。ルイルイがそこを突いてバランスを取るのが絶妙である。
周囲にばれてからの開き直りとかわす身が速く、結果フタマタ野郎よりクズ野郎の印象が強く残った。
キャラの魅力も本作の評価点である。
煌:普段ホワホワしてる煌が展開を回していくというギャップはなかなか刺さる。他が変人だからまっすぐなキャラが良い意味で浮く。
結愛;由奈もそうだが面倒くさいキャラなのに欲しい物を的確に持ってきてくれている。だからこそFDは期待外れ。
宮古:要素が多くて不思議ちゃん枠で化ける可能性はあったものの、過去を活かし切れなかったのがやや残念。
ルイルイ:本編とのつながりが弱いので箸休め的なキャラに終わると思ったが、ツンデレチョロインがクズ野郎にハマるという展開は涙なしではみれなかった。
これまでの振り切った作風とは違い、キャラの関係性とその動きを描いた良作であるが、個別に入ってからの失速だけはいつも通りであった。