さぁ受け取るがいい 永遠の相を この櫻ノ詩の下
学がないので、美術、哲学、文学、音楽がわからないのでだらだら思ったことを書きます。引用がこれでもかと多く、考察なんて到底できませんので悪しからず。
ストーリー構成はルート固定で真琴or稟→里奈(+優美)→雫→4(藍)~6章。
まず2章までの共通。淡々と人物の関係が語れるのがメインとなりますが、すべてラストにくる櫻達の足跡への布石。青春グラフィティの真骨頂とも言うべき王道で、盛り上がりどころですが、ありふれたと言えばありふれた終焉ともいえます。個人的には明石ルートとも言うべきかと。
真琴ルート。後半の軸になるお家騒動の顔見せといったお話。突き詰めてシンプルなので、中盤への橋渡しとしてはよかったかなと思います。
稟ルート。これも同じく繋ぎの話。パケ絵からも稟がメインだと思ってましたが、メイン扱いじゃないのねーと笑っちゃったルート。中盤のプレストーリー的立ち位置で、吹の正体を明かすのが主題となります。ラストの件がなんとかならなかったのかなぁ。
里奈ルート。とレズルート。中盤のベースになるルートで、大体個別だとそのヒロインしかスポットライトがあたりませんが、ここは里奈と優美、二人でひとつのストーリーといった雰囲気。レズルートからの里奈ルートでやるとなるほどなぁといった具合ですね。
雫ルート。中盤に続く正統の3章。雫の秘密と稟の過去そして健一郎の在りし日という、これまでのストーリーとこれからのストーリーの狭間を上手く紡ぎだしたルート。難しいこと言えませんが雫かわいすぎでしょ。
4章。水菜ルート?これで大方の過去が語られる訳ですが、このあたりが本編の軸になるお話。面白かった。覚悟がありありと伝わる様は非常に楽しかった。水菜がヒロインとして扱われていたなら、さらによかった、と思うのはこれがエロゲだからなんでしょうか。
5章。ある種の王道と横道。死をもって始まった道が死をもって逸れる。あれだけ難関難関といわれていた賞を受賞するという、物語的王道の階段を上りますが、そこから転げ落ちるような出来事を落としてくるあたり、始まりから考えればこれも王道なのでしょう。桜という色がよく出た章だったと思います。稟と直哉のCGが始まりとの対比だったわけですし、ラストのCGがなんとも儚いです。
忘れてはいけない藍ルート。ロリお姉さんには弱い体質なので。ぎゅっとされたい。慰めてもらいたい。その強さはストーリー通して一番とも言うべきです。シーンや尺が少なかったのは続編で回収すべきという神の啓示でしょうか。
6章。後日談。というか最終章にして転調、変化のルート。これは続編への布石とも取れます。メインで動くのはここにきて新キャラ中心。ルリヲと鈴菜も大きくなって。むむむ。けしからんな。肝心のストーリーは、ここにきて必要なのか、いろいろ問うべき、そして考えるべきお話。稟や雫、ラストでしか語られない藍。そのあたり含めて回収させてくれると信じております。
総評。メインはどのキャラって言うわけではないけれど、稟でも雫でもなく藍なのかな、と。どのジャンル問わず作品の評価なんて、自分が決めるべきかと思います。他人の評価はあくまで他人の評価。ただそれがその作品の持つ意味を如何様に変化させることはできるんでしょうね。
どう受け取るかは自由です。これで完結すべきお話なのかもしれないし、また続編も含めてひとつの作品なのかもしれないですね。衝撃はなかったけれど、これからの希望を込めて。