ErogameScape -エロゲー批評空間-

比翼れんりさんの絆きらめく恋いろは -椿恋歌-の長文感想

ユーザー
比翼れんり
ゲーム
絆きらめく恋いろは -椿恋歌-
ブランド
CRYSTALiA
得点
70
参照数
631

一言コメント

咲き誇れ 椿色恋歌 その想い乗せて

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「絆きらめく恋いろは」のファンディスクですね。本編がかなり好評だったと見えて、続編が出ました。これも人気のあったヒロイン椿様々なのでしょうが、今作はファンディスクとはいいつつも、椿をメインに据えたアフターストーリー1編であり、ひとつの続き物と捉えるべきでしょう。

本編は、各ヒロインごとに色の違った話でなかなか読みごたえはあったと思います。桜夜ルートがTRUE扱いでしたが、みんな大好き椿お姉ちゃんをセンターにしたのは、やるなぁ、と思います。しかも他のヒロインたちは個別エッチすら与えられずサブに降格しているし… 個人的には一番好きなヒロインでしたし、出番が増えることはなによりなので問題なし、しかも新キャラカグヤが好みとなれば、一本道でも楽しかったと答えられます。

本編の感想でも触れましたが、椿ルートのもったいなかったところは、都子との姉妹設定が大きな主題にならなかったことと、いちゃらぶが少なかったこと。とりわけ後者に関しては、もっと"いちゃら分"をくれ!と思った方は多いのでは。今作、試合後にあたるストーリー中盤~終盤が話的にはメインかと思いますが、その前に徹底的にいちゃいちゃらぶらぶします。萌えのバリューパックみたいな感じです。これに対して中盤以後は燃えゲーと化します。この対比はおもしろいですね。都子の活躍もありますが、あまり姉妹関係というのはそれほど表に出てこず、逆にこういう距離感がいいのかもしれません。カグヤと朱雀院の確執が肝になりますが、それほどシリアスに倒れすぎず、話を広げすぎず、引き際が上手かったですね。

椿ゲーらしく、最後はブライダルで締め括られます。1ヒロインに特化されたファンディスクは、単発アフターやパッチ配布でやければ、なかなか珍しいように思います。しかしながら本編を引き継いだ話の繋ぎかたは違和感もなく、自然でした。葵とのライバル関係も引き続きで良かったですね。ちょっとコンパクトにまとめすぎた感じは受けましたが、こういう形態もアリかなと思いました。