数センチの距離が永遠ほどに遠くて
Campusで永山ゆうのん先生というと、昨年発売の初恋シンドローム以来ですね。そもそもこのブランドの特長として、同一の学園で世界観を共有しながら、短編がリリースされることにあります。コスト面ではなかなかうまいやり方だなとは思っていましたが、ひとつひとつの作品がどこまで起承転結できるのかは難しいところです。特に最近の傾向として、本編(全年齢無料部分)とアフター(有料18禁部分)の分けがあるので、キリの付け方が中途半端になることが多いような気がします。そこで、今作ですが、上記の初恋シンドロームや魔法の設定のリンクが上手く繋がっており、優希のキャラクターも生き生きしていて良かったです。タイトル「その花が咲いたら、また僕は君に出逢う」の意味が最後に明かされ、本編できちんと一連の話が完結しているのもいいですね。そこからのアフターストーリーはたがが外れたような蜜月で、その振り切った感じも個人的にはストライク。さらに幕間がかなり意味深なアシストをしており、ウソシリーズを除けば、満足度では随一かもしれません。この話における続編が出ることはないでしょうけど、各設定に横の繋がりが出来ることは、この販売形態からすると、成功なのかなと思いました。