見上げ空に描く 目に映るもの全てが眩しい あぁ 恋をするのって多分 そんな感じにドキドキの毎日
Parasolは晴れのちきっと菜の花びより以来。正直無難なキャラゲーといった印象はありますが、もう少し次のステップを目指してほしいなとは思います。
導入はわりともやもやしていて、流れとしては特待生の主人公の絵のモデルをお願いするなら誰……? というシンプルな選択肢。
結花は幼なじみヒロインで、マイナス要素が特に無いかわりに、プラスになるところもあまりなく、全体的に"普通"の印象です。幼なじみのわりに過去を回顧するシーンも少なく、あまり設定が浸透していないのが、そもそも残念。子供の頃の夢とタイムカプセルという、ルートED曲にも通じるものはあるのはわかりますが、上手く繋げられそうなテーマながら、圧倒的に描写が足りなく、これがこのブランドの限界なのかと。医師になりましたーが数年後のエピローグとして語られるのはあまりにもご都合主義すぎでは。随時に良さがあるものの、それを最終的なカタチにできないのは、製作陣の経験なのか、それとも実力なのか。
アリスはザ・金髪ロリで、ちこたむ先生の十八番のようなヒロイン。キャラクターもそこまで作りすぎた感じもなく無難。ただ明るい雰囲気と、どの衣装にも映える外見がストライク。エッチシーンもアリスだけ力入っているのではと感じます。個別ルートはアーチェリーの特待生の彼女が弓道を通じて、自分と向き合っていくシナリオはなかなか好きでした。ただ馬が出てきたあたりから予想どおり流鏑馬に繋がるのはトントン拍子すぎに思いますね。
しずかはアイドルヒロインという、特に珍しくもなくなったタイプ。それでいて、人気者なわりに身近な存在なわけで。アイドルとは言うものの、あまり芸能事情は触れられず、ちょっとした小話になるくらい。話のメインは、アイドルで歌も好きだけれど、実は演技をしたい、というのは、後から付いてきた流れに見えて、わりとストーリー的には自然で、あるべきところに落ち着いたのかなと。ただこのしずかというキャラクターがあまり好かず、盛り上がりどころもないので、終始のっぺりした感じでした。
重度のブラコン遙の個別ルートは、シスコンには受けがいいのかもしれませんが、個人的には、久々にイライラしながらエンディングまで持っていきました。遙のモノローグやヒロイン視点になったときのテキストが酷く受け付けないし、シスッターという謎SNSも気分が悪くなりました。妹が嫌いなわけではないし、シスコンストーリーがダメなわけでもないけれど、これはキャラクター設定とシナリオが完全に足を引っ張ってた格好に感じます。
どの個別ルートでもハッキリとしているのが、ヒロイン同士の絡みがほとんどないこと。付き合っているのを他のヒロインが知るのがルート後半であったり、ルートによっては登場すら数えるくらいになったりと、明らかに主人公とヒロインだけの世界にしすぎです。タイトルどおり「彼女と俺の恋愛日常」なのかもしれませんが、ストーリーが停滞気味になる要因でもあり、短いわりにテンポが良いわけでもなく、想像以上に中身のないお話が目立ちました。