もう何も奪わせない 絶望の中 僕らが願った希望
銃騎士補償プロジェクトの最新作は、同ブランドの「略奪者の淫宴」を前日譚とするファンタジー作品です。前日譚をプレイしていなくても、単体で内容は問題ないですが、プレイしておくとリンクする部分が多く、おもしろいかもしれませんね。
ストーリーは正直ネタ不足感は否めないものの、今回は騎士にコラボさせるものとして竜。これが大きく足を引っ張ることになるんですがね…
今までの騎士シリーズの中では、明らかにブラックファンタジーで、人はたくさん死に、グロ寄りのCGもあります。
ルート分岐はなく、本編は一本道。選択肢はHシーンの回収のみという、シンプルさ。
まず主人公が舞台の国にやって来て、なんやかんやで竜の子供を保護するまでが1つの区切り。このあたりは町の中で話が完結するショートストーリーみたいなところがあります。サリアとメアはこの早い段階からシーンがあり、どちらかというとメインなのかなぁと思ってしまいますね。てかリーゼとアレーナの絡みが少なすぎて。
甚大な被害が出たことを受けて、これは以前持ち出されて行方不明になった魔剣を…となり、やっとアレーナの出番。森での捜索がわりと単調で、ヒロインとしても好きではないタイプ。ここは早く剣見つけてくれ~くらいの淡々とした気持ちでプレイしていましたね。見つけたはいいけど、案の定魔剣としての力はなくなっていて。
そして隣国の鍛治屋の元に旅立つことになり、やっと盛り上がり所に差し掛かるのかなと思いました。魔物の襲撃などを経て、リーゼと二人きりになります。ここで、これでもかとリーゼのシーン回収。アレーナもそうだけど、この二人の立ち位置といい、シーンバランスといい、なんだかなぁ…と感じます。
一方、魔物を食べに食べ急激に成長する竜。ストーリーを素早く進めるためには必要なんでしょうけど、ちょっと強引すぎませんか。
ヒロインたちと合流したあと、隣国の鍛治屋に向かいますが、彼は悪党に襲われてピンチに。そこで主人公が無双して、助け出すわけですが、正直ここが一番「略奪者の淫宴」の匂いがしておもしろかったですね。裏を返せばここが頂点なわけで…
無事に鍛治屋を救い、魔剣の作成を依頼し、主人公たちはシーン回収。そして出来た魔剣を手にし、竜の空を飛ぶを使い、国に戻ってみると、竜の襲撃に会い大ピンチ! 結局竜を追い詰めるのは竜で、最後の棲みかに乗り込んでラストバトルで主人公が美味しいところ持っていくのが見せ場なのかなぁ。ヒロインは何かしてたか疑問符。
やっぱり竜vs人間という構図がストーリーを逆に難しくしているように思います。「略奪者の淫宴」では(力の大小は置いておくにして)人間の範疇での闘いでしたが、対するものが今回はあまりにも大きすぎる。結局おもしろいなと思う部分は対人のバトルでしたし、続編みたいな銘打ちはしてないかもしれないけれど、そこは残念ですね。加えて補償プロジェクトのわりに、同じ轍を踏んでるようにも見えてしまう。補償の補償はもうなんだかわからないですよ?