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比翼れんりさんのリプキスの長文感想

ユーザー
比翼れんり
ゲーム
リプキス
ブランド
戯画
得点
74
参照数
1705

一言コメント

"One Kiss One Love" is my life

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

戯画の"キス"をコンセプトにしたシリーズ、今作は「ファーストキスをもう一度」

キスを転機にして、関係性が変わったり物語のキーになっていたりと、とくに2回目のキスが持つ意味が出ていたように思います。


奏撫と咲希は同級生ということで、主人公が修学旅行に行ってからの分岐。奏撫は主人公との距離感がよく、いい意味で好き嫌いの出なそうなヒロイン。お金を貯めてもう一度の京都をプレゼントにというのは、青春らしさを感じますね。後半に山として、離ればなれに~というものが出てきますが、解決方法が解決と言えるものではなく、正直無かった方が後味は良かったように思います。

咲希は個別ルートでリミッター解除されたようにデレますね。優等生ではあるけれど、堅すぎず絶妙なキャラクターでしたが、このデレが賛否分かれそう。個人的には、甘えまくりな一面もかわいかったので、アリだと思います。テニスがワードとしては出てきますが、スポ魂というわけではなく、京都での試合(とその前の練習)含めて、テニスが全面に来ることは無かったですね。あくまでヒロインの素顔を見せることに特化したルートでした。

まゆりの風邪で主人公が修学旅行に行かなかったことを踏まえて分岐する羽耶音と唯梨ルート。兄妹、姉妹、義姉妹が登場する中で、羽耶音はザ・お姉さんの象徴でしょうか。キャラクターが響かなかったので特に思い入れが残らなかったのは致し方ないですが、主人公のために二人だけの修学旅行を!という流れは好きでした。

唯梨は構ってあげたくなるヒロイン。こういう子はかわいいです。ストーリーとしては、出身である京都が軸というわけではなく、シンプルに仲を深めていく、そんなお話です。義理の姉妹という部分はどちらかというと咲希ルートで語られているので、こちらで重くなる要素はなかったですね。純粋に唯梨を好きになれるかというところに尽きるルートだと思います。


このシリーズというか、戯画のキャラゲーはボリュームがやや少ないかなと思いますが、今作はその尺のなかでキャラクター一人一人に絞った話がされていたように思います。