僕らが手にしたものの代償に 今も悩んだりするけれど
最近のLump of Sugarの傾向として、原画は複数でストーリーには面白いシステムがあるのがありました。今作においてはヒロインごとに原画が異なるという思いきった感じ。ストーリーのゲーム性みたいなものはかなり薄れ、主題である「コドモ」と「オトナ」の心情描写が全面に出ていると思います。
共通は「儀式」がメインになり、感情の機微が描かれますが、身内のなかで淡々と進むのでドキドキした感じはありませんね。
各個別ルートでみていくと、まず楪は、これは「感情」がひとつのキーになっていて設定としてはなかなかいいところなのですが、ほとんど印象に残らないほどさらっと過ぎます… 大人しめなので元気な小倉結衣さんが好きな身としては残念。
佳津美は、素直になれない妹。というか素直になれないヒロインばかり。ロールがわりと肯定的に描かれ、エンディングもそういったものですが、この展開は正直苦手。ただウサさんの配役はハマっていたかなと。
みちるは、素直になれない女の子筆頭で、ストーリーも実にまっすぐ。セーラが消えるシーンが心の変化を表す過程では作品的にはわりとよかったのかも。あじ秋刀魚さんはつよかった。
セーラがメインストーリーなのでいろいろと伏線が回収されますが、正直ストーリーはなるほど、といった具合ですがキャラクターがなぁ。こういうタイプはいまいち。秋野花さんは好きですが、キャラクターが好きになれなかったので残念…
結局のエンディングが、とても普通でなにか変化はほしかったです。
全体として、キャラクターがストーリーを作るのではなく、ストーリーがあってキャラクターが"作られてる"印象を受けました。これは"ロール"に関わることが大きいのが明らかですが、導入はわりと面白そうだったので、展開がそれほどなかったのがきつかったですね。