花の野に咲くうたかたの
プレイ前は設定からして大きなストーリーになるのかと思いましたが、非常にコンパクトにまとまったお話でした。
この手の物語に有りがちな異分子たる「幽霊」なり「奇跡」なりが大きくでしゃばることなく、ベースにじわーっと広がっていたのが好感触でした。正直メインの桜花含め、どの個別ルートも大きな山場はなく、トータルで初めて完成される作品といった印象が強いです。個々のストーリーはあっけなかったり、描写不足だったりしますが、全体的に見るとなるほどなるほどといった感じ。キャラクター同士の繋がりを大切にした活かし方で、ドロドロした社会に明るさを与えてくれる、そんなお話です。
決して大きな展開があるわけではないですし、ストーリーがそれほどインパクトあるわけでもないです。しかし肝はじわじわ溶け込むようなストーリー構成。ここにある気がします。変化を求める人には面白くないかもしれませんが、たまにはこんなお話があってもいいと思います。自然派なあなたへ、といったところでしょうか。