君と二人だけの恋が始まる
初FLAT
方向性としては今までのFLATとしては違うようですので、新鮮な気持ちでプレイできたかなと思います。
テーマはシンプルに「恋」
エロゲの多くがおそらく「恋」をある種のテーマに掲げる中、これほどまでに原点回帰をはかった作品も珍しいかもしれません。
メインは瑛莉。
ストーリーはコンパクトながら「恋」とはどいうことか「好きになる」とはなんなのか、一つずつ踏みしめていく様子が描かれとても心地よかったと思います。部活動問題に触れるシーンも多く、バド部はその前座でしか無い気もしますが、ラストの恋愛観測部の廃部の寂寥感、新しいスタートの高揚感、そのあたりの気持ちの付け方が上手かったと感じます。そして瑛莉ルートのラスト。モノクロでアルバムをめくるように綴られるエピローグストーリー。全力で駆け抜けてきた青春の延長戦は、とてもシンプルながら、濃い話になったかなと思います。
やまない雨はないから。
ひとりひとりの気持ちに寄り添った暖かみのあるストーリーでした。粗さは所々にあるものの、キャラクターと繋がりの強さでエンディングまで、といった作品だったと思います。最近の学園モノだと、ファンタジー要素が入ったり、何かにテーマ性を絞ったりということが少ないので、ここまで綺麗にやられると清々しいですね。
里沙ルートがメインヒロイン枠に無いのが残念。ただエクストラの先、自分で思いを馳せていくのもまたひとつの楽しみ方なのかもしれません。