Beyond the sky, into the firmament.
グリザイアシリーズなどで有名な木緒なちさん企画のspriteの2作目です。
タイトル「フォーリズム」とあるように、4人のメインヒロイン、もちろんまわりを支えるキャラクターたちも含め、空を目指していく物語です。
フライングサーカスという架空のスポーツ競技を軸に、青春スポコン的な要素も交えつつ、それぞれ戦い、葛藤して乗り越えていくという展開的には王道のスタイル。
ストーリーの流れ的には、ボーイミーツガール的展開で、一からフライングサーカスをプレイしていくもの。夏の大会までが共通ルートで、そこから不穏な流れになり、それをそれぞれ個別ルートで回収していくのが大まかな流れ。どのルートにも当てはまりますが、挫折ないし悔しさがバネになって話が盛り上っていきます。メインストーリーに近いのは明日香とみさきで、真白と莉佳はサブストーリー的な立ち位置でしょうか。ラスボスたる乾沙希にどう立ち向かうか考えていくのはドキドキハラハラ感もあり、個人的にはおもしろかったと思います。
キャラクターがかなり個性的で、バランスよくいろんなタイプのサブがいたと思います。みなもや沙希など攻略できないキャラがいるのは悲しいです。FDのフラグだと思いましょう。
よくエロゲーは紙芝居とか言われますが、要は動きがアニメなんかに比べたら表現しにくいということでしょうか。今作の軸でもあるフライングサーカスは動きあるものなので、そのあたりの表現がどうなるかでプレイ感は大きく変わると思います。強く感じたのは、演出がかなり上手いということ。画面を大きく使って、試合ごとに展開を作っています。テンポよく場面転換されるのも効果的で、躍動感ある情景が表現できていたと思います。原画や背景、SDなど視覚的な部分はかなり完成度高くまとまっていました。
音楽はI'veとElements Gardenという豪華な布陣。川田まみさんのメインOPは聞くたびに表情が変わる曲、KOTOKOさんの挿入歌はフライングサーカスの疾走感と力強さを感じる曲、各ヒロインのEDもありよかったです。
2ndOPのムービーから期待した感じでは、フライングサーカス通じて個別のルートをもっと中身あるものにできたのでは?という思いもあります。ファイナルシナリオがあっさりすぎたのもありますが。ストーリーの端々から感じる雰囲気だと続編があってもおかしくないですね。
発売前にアニメ化が決定するという、異色な作品。蒼い空はどこまでも果てしなく、きっと新たな展開を見せてくれると信じています。みなもと沙希攻略させてくださいオーラ出しつつ。
ましろうどん食べたい。