虹色の未来がある世界へ
・シナリオ(10/20点)
基本的にはHOOKらしいヒロインといちゃいちゃしながら、なだらかな丘を越えてゴールという個別ルートです。かのこやつばさのルートは王道とも言える明るい話。三澄や汐路のルートは少し強引ながらも最後で見せ場はつくる話。どのルートも基本的にはキャラをみせることを中心にした内容なので、シナリオに深さはなかったように思います。
そして千里ルート。はっきり言って重いです。目が見えなくなるという、シリアス分ゼロに近い他のルートに比べると異質にも思えるお話です。この手の病気の話はどのゲーム、どのキャラでも展開できるものだと思います。実際共通ルートや他の個別ルートではこのことには触れられていないようにみえます。ですから、この作品を始めた時点では誰にも起こり得る内容でした。エンディングが救われた結末だったかは置いておくにしても、何故千里だけがこうなる運命だったのでしょう。あまりにもインパクトが強すぎて他のヒロインが霞みます。攻略順が固定されているならまだしも、ひとつだけ毛色の違う話がポンと置かれて、全体のバランスはとれているのでしょうか。個人的には単調な他の4人のルートと天秤にかけてもバランスはとれていないと感じます。どうしても千里ルートが頭に残ります。話自体は好きな結末でしたが、ここに組み込んだことで賛否は分かれそうですね。
・CG(16/20点)
こちらのラインの絵もかわいらしくて好きですね。バランスが取れていていいと思います。
・キャラ(14/20点)
メインヒロインはキャラとしてはみんな好きですね。少しくどく感じるところもありますが個人的には許容範囲。サブではCV:藤咲ウサさんの流々子が飛び抜けた感じです。ただキャラのかわいらしさを見せるのがHOOKの特徴かと思いますが、ルートごとに感じ方が変わり、滑ってしまった印象はありました。
・音楽(15/20点)
BGMはそんなに印象的ではなかったですが、OPは好きですね。ストロベリーノーツを彷彿させる疾走感のある曲でした。
・システム他(15/20点)
PITは確かに面白い要素なんですが更新が多くて飽きてくるものでもあります。それ以外に特に変わった演出等もなかったかと思います。
以上、計70点です。
全体的にはストロベリーノーツを意識した作品ですが、やはり頭ひとつ飛び抜けた千里ルートが中心になります。純愛のカタチを強く感じるお話ではあったと思うので、他のルートとの兼ね合いも考えればもう少し楽しめたように思います。