青空を舞う紙飛行機 飛び続け未来までずっと
初Navelです。持ち込み企画にいつものNavelらしさを付け足していったとかなんとか。いつものブランドの方向性がわからないので、比較して感想をつけることはできませんが、この作品単体で見れば、とても面白かったです。
女装潜入ものっていうジャンル?はそれほど馴染みがないので(ensembleくらい)、事前の好評価はあったにしろどう転ぶか楽しみでもあり、ドキドキでもありました。この作品のテーマは、ヒロインや主人公それぞれの立場から、問題をどう受け止め、どう乗りきり、どう未来への道筋をつけるかだと思います。設定として斬新な「服飾」が大きなターニングポイントとなることが多く、それが顕著なルナ、ユーシェの両ルートがまとまりよく、面白かったです。
ルナルートは物語の核心に触れるお話で、桜小路家、大蔵家両方の人物の描写というか思惑がしっかりと描かれていてよかったです。服飾についてのシーンも多く、テーマ性が強く出ていたのもポイントです。ユーシェルートは家がどうとかという背景がそれほどなく、単純に「服飾」を題にしたお話で、いちばん親しみやすい個別ルートでした。Afterでも方向性を変えることなく同じ内容を扱っているのも好評価。
瑞穂ルートも同じく「服飾」に焦点を当てたものですが、ユーシェとは違う立場から描いたストーリーでこれはこれでありです。ただキャラのインパクトやストーリー展開ではユーシェの方が面白かったなと感じてしまうので残念。湊は最初から正体バレの幼馴染みルート。これは服飾どうこうではなく、湊のバックグラウンドに重きがおかれているので、他三人とは色が少し違う感じ。これもこれで好きですが、才能無い側からの「服飾」をもう少し描いてほしい気もしました。
この作品の肝は奇抜な設定も去ることながら、やはりキャラ。ルナを筆頭に個性的なキャラが織り成す日常だけで、かなり面白いです。Afterでもそれは健在で、新キャラ含めて随所にツボに入るところがありました。これはどこかでも書きましたが、サブキャラにしっかりとした役割や出番があるとそれだけで、物語が安定しますね。
あとは音楽やシステムですが、これも非常によいです。音楽はBGM中心にじわじわ響く感じの良曲です。システムも使いやすく、軽快なテンポで展開されるストーリーを上手くアシストしていたと思います。
全体をプレイしてみた感想はやっぱり「ルナ様ゲーだった」ということ。最初から最後まで存在感があるキャラは久しぶりでした。ありそうでなかった絞ったテーマ「服飾」をベースにしたこともプラスに働き、絶妙なキャラとストーリー展開。大きく驚かされることはそれほど無かったですが、丁寧な作品づくりで素直に面白かったと感じました。
なおAfter Storyパッチを当ててのプレイだったので、Afterの感想も入っています。