繋ぎ止めていた想いを 待ちわびるように
・シナリオ(15/20点)
一応てぃ~ぐるとしての初作品ですが、暁の護衛を継承する続編ともとれる本作。ストーリー構成は共通ルートがかなりの部分を占め、その内容は主人公の特務官としてのお話。共通ルートは長いですが、ひとつひとつのエピソードはなかなか面白かったです。その面白さが個別ルートになったときに維持されているかが問題。凛ルート、希望ルートは話の主題からそれていくのでおまけ的な扱い。秋ルートは過去と現在と未来が繋がるお話。このルートが一番納得できないかもです。兄妹で暴走したあげく、友人たちはおいてけぼりをくらい、最後は本当にハッピーエンドと言えますか?なにか違う気がしました。アクセラルートは柳沢を追い詰める盛り上がりもありましたが、結局はご都合主義全開のラストです。でメインのキズナルート。地上への憧れという作品のテーマに最も沿ったものでラストも嫌いではないです。ただメインの話の結末がこれというのは拍子抜けな気もします。そして案外よかったのは恭一視点のストーリー。恋との掛け合いは面白いです。
・CG(19/20点)
安定のトモセさん。ほんと素晴らしい絵です。どのキャラも丁寧ですし、立ち絵や一枚絵でも不自然に感じることはありませんでした。
・キャラ(16/20点)
これは少し判断に迷いますが、ギャグを織りまぜたトークの面ではキャラは生き生きしていますし、魅力的に感じるのも事実です。和葉や愛佳がその例。しかしシナリオの根幹に関わるキャラから見ると、主人公や秋をはじめおかしいのなんの。ストーリーの盛り上がりがイマイチに感じたのはこのあたりにあるのかも。
・音楽(15/20点)
音楽はBarbarian On The Grooveが担当。OPやEDは力強いサウンドでいい曲だなと思いました。BGMも同様な感じなんですが、あんまり変化がないようにも思いました。
・システム他(15/20点)
共通ルートが長く選択肢もそこそこあるので、シーンジャンプは欲しかったです。
以上、計80点です。
はっきり言って伏線がすべて回収されたとは思えません。この流れだと続編はありそうです。それはもちろん出るなら楽しみにしたいですが、三部作にすることだけは勘弁してください…
長い製作期間で逆にだれてしまった感じはあります。面白かったですけど、長く待ったわりには…という感じも否めません。とにもかくにも衣笠さん、トモセさんが次にどのような動きをみせてくれるのかを期待しています。