砕け散るこの世界から 今救い出す
・シナリオ(19/20点)
全体を通してうまくまとまっています。どの個別ルートもとても深く重いテーマについて取り扱っていると思いますが、一貫しているのは「自由」だと思います。塀で囲まれた学園がその象徴のように思いました。
由美子や蒔菜は親の束縛からの脱却という非常に単純明快な話。ただ、蒔菜ルートはそこに至るまでが混沌としていますが。個人的にはBADENDは本当にBADENDなんだろうかと思います。あれは一つの終わりとしてははっきりした区切りがつくんじゃないかと。由美子ルートに関しては大したサプライズも無く大方予想どおりで拍子抜け。メインかと思ってたのに残念です。
幸は過去の自分からを振り払うために。個人的には、幸ルートがいちばん現実に思えました。多少強引に思えるが、幸がやった学校をなくすという依頼を、雄二は遥か上をいくやり方でやってのけました。束縛の象徴だった学園を破壊するやり方で。これこそテーマを端的に表しているんではないでしょうか。
みちるは、まあ個別ルートの中では収まりの良い終わり方。自分の中の自分との葛藤について。これがいちばん好きです。だからこそ、最後は英語で締めてほしいところ。
これがメインの天音ルート、エンジェリック・ハウル。鳥肌がやばい。何も言うこと無し。一姫とは一体何だろうか。
・CG(18/20点)
原画はフミオさんとぽよよんろっくこと渡辺明夫さん。アニメみたいにコロコロ変わる表情もあり、いいと思います。ななかまいさんのSD絵もいいところで入ってきます。
・キャラ(18/20点)
みんな、自分の立ち位置がしっかりと決まっていてぶれません。これが物語をしっかり形作っているひとつの要素かと思います。チルチルがウザいのも仕様です。
・音楽(18/20点)
終末のフラクタルは素晴らしい曲。EDもみな良曲です。とくに迷いの森。エレガはいい仕事します。
・システム他(18/20点)
OPムービーは完成度が高いです。一貫して演出にも工夫があり非常によかったです。
みちる補正 +1点
天音補正 +1点
以上、計93点です。
先が気になるのは必至。