崩れ堕ちてゆく楽園の果てで
・シナリオ(19/20点)
圧倒的な世界観でした。それぞれの個別ルートは現実から目を背けたBADENDのように感じました。すべてはティアのための話。だからこそ最後には、肩すかしをくらった感が否めません。ただ、ルキウスの考えは非常に大事なことだと思います。そもそも、人には感情があり、欲があるがゆえに、一つにまとまることは、およそ不可能なことです。その上に立つ者の立場ならば、時には小を切り捨てでも、大が救われる方法を選ばなければなりません。最後の最後でティアという一人のために、まわりを見れなくなってしまったカイムとは違い、ルキウスの判断は冷静かつ妥当であるのではないでしょうか。もちろん非情なことに変わりありませんが。最終的には、フィクションの特権であるご都合主義を持ち出した、カイムの選択で多くが救われたハッピーエンドになっています。これは物語であり、展開としても、ある種正当だとは感じます。ルキウスの判断が確実に皆を救えたかはわかりません。しかし、理想論を押し通したカイムより現実論を通そうとしたルキウスを評価したいです。
ゆえにラストを除けば、全体的には完成度はかなり高かったと思います。
・CG(20/20点)
べっかんこうさんなので大満足。減点のしようがないくらい素晴らしいです。背景もすごくきれいでした。崩落のシーンとかは鳥肌もの。
・キャラ(19/20点)
登場人物の一人ひとりが、自分の立ち位置を理解しながら動いていると思います。それぞれにはそれぞれの使命があります。とくに、男キャラが良いです。
リシアはかわいすぎです。てか何歳でしょうね。フィオネが最後まであまり好きになれなかったのが残念。
・音楽(19/20点)
Asphodelusは世界観を的確に表現した素晴らしい曲です。BGMも雰囲気によく合っていて、よかったと思います。音楽の完成度はかなりのものです。
・システム他(19/20点)
とても使いやすかったです。戦闘シーンの演出もいい感じ。ネコは驚きましたが。アナザービューの使い方もいいところで入っています。おまけシナリオでifの世界や後日談などうまく補完されていたと思います。
リシア補正 +1点
ティア補正 +1点
ブランド補正 +1点
OP補正 +1点
以上、計100点です。
補正を多くつけましたが、仕様です。多少の不満はありましたが、それをすべて打ち消すほどの総合力。
これだけの作品を作られたのですから、次回作の期待はさらに膨らみます。できれば、その後どうなったかを見てみたいなあ。ファンディスクとか、無理ですよね...