面白いと思いながらプレイしていたが、振り返ると面白くなかった
ビジュアルもキャラクターも設定も良く、細かいパロディや選択肢ごとの小ネタなど、共通時点ではとてもワクワクさせてくれた。
ただし個別に入ると、特に真奈と霧江では共通や他の√で何度も見たようないがみ合いが繰り返されてしつこさを感じた。
√の構成は、付き合うまでの序盤(終業式まで)、短いイベントをオムニバス的に行う中盤(主に夏休み)、ジャスナス本番辺りの終盤(2学期)となる。序盤と終盤はヒロインごとに違ったエピソードや結末が楽しめるが、中盤はどのヒロインも似たり寄ったりなイベントが多く、2ヒロイン目くらいまではともかく後半戦になると中だるみが起こる。
みかる√は強弱がしっかりしていて素直に面白いと感じたが、他√は起承転結感が薄く退屈に思うこともあった。また、平坦さをカバーできるほど濃密なイチャイチャなどがあるわけでもない。
とはいえ(理解できていればではあるが)有名なゲームのパロディ要素などを交えたシナリオは楽しいし、キャラはそれぞれちゃんと立っている上に世界観的にネタの引き出しはとても多く、読んでいる最中は面白いと思える。
ただし読後感としてはやはり薄味で印象にも残りづらいな、といったところ。
激しい喜びは無い、代わりに深い悲しみもなく、ベースラインも少し低めな作品。でもそれぞれのキャラデザと性格はめちゃめちゃ好きなのでどうにも嫌いになれない。
響かわいいね。