青い、青すぎる!だがそれがいい!
正直、最初に序盤をプレイした時は
この陰鬱にして異邦的な世界観にほれぼれしたものです
だからこそ、この作品のエンディングで、
名ED曲IKOVEとともに、あの青空が見えたときに、
衝撃をうけてしまった
この作品のテーマはとてもわかりやすくて「手を伸ばすこと」「諦めないこと」
それは執拗に何度も出てくるから、当然分かっていたのだけど
その青い理想に対して、
たぶんこの作品の出す答えは「保留」であり「現状維持」であると
いい大人である自分は結論をだしていたんですよ
この陰鬱な世界だからこそ、救えないまま手をすりぬけていくものがあるからこそ
「ただ、そこで、できる限りのことをする、それは、現状の維持でしかないけれど
そこでできる限りのことをする人間の小ささも、また、美しい」
異形化から都市は解放されても、灰色の空は依然として残る
キーアは元の場所へ戻り、ギーもまた、同じように巡回医師を続ける
そんなエンディングでも悪くはないはずです。
そして自分も、きっとそんなEDだと、ある意味高をくくっていたわけで
そこへ来てあの青空。
あの青い理想をここまで手放しで讃えるのか、手を伸ばし続けた男に対しての答えが
こんなに混じりけのない純粋に美しいエンディングなのかと
理想に対しての作者の視点の優しさ、青さを讃える直球の理想主義
それに打ちのめされてしまった感じがしたのです
ああ、こんなにこの作品は青いのかと
そういえば、「あの果てにある青」を自分も知っていたのだと
今の自分は、知らずのうちにあきらめていたのだと
不意をつかれて気づかされてしまった、
そしてそれが意外にも、思いのほか心地よかった
寓話的であろうとも、純粋にまっすぐであるこの作品の主張に、
一筋の美しさを自分は感じました
だからこの作品は、自分の中では魂の一作です