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服部さんのダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印の長文感想

ユーザー
服部
ゲーム
ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印
ブランド
AQUAPLUS
得点
60
参照数
860

一言コメント

所詮ギャルゲーかと思いきや案外骨太のDRPGだった。という前作の評価を、基本的にはそのまま踏襲した作品。とは言え、そもそも前作にあったその「思いきや」は、ToHert2のFD的なノリで出たスピンオフだったからこそ機能した訳で、それを踏まえ「骨太だった」とされるRPGの次回作として冷静に評価されてしまうと少々厳しい。ゲームバランスは非常に良く調整されていると思うが、大きな欠陥が二つ。

長文感想

一つ目は装備品。
ドロップアイテムでPTが強化されて行くというのは、この手のハクスラゲーの醍醐味で、本作も類に漏れず非常に多くの装備品が存在する。
しかし残念な事に、強化した汎用装備>多種多様なユニーク装備>未強化の汎用装備という仕様上、その殆どが役に立たない。
見たことの無い装備、ボスからのドロップが100%ゴミ確定というのは、ハクスラのモチベーションを著しく損ない、全くテンションが上がらない。
厳密に言えば最強クラスのユニークのみフル強化の汎用装備を超えるのだけれど、ゲームスタート直後からクリア後ダンジョンの裏ボスのドロップというところまで、ひたすらレザーシールドにレザーアーマーというのは悲しいものがある。

二つ目はダンジョンの構造。
本作のMAPデザインは一方通行やワープゾーンで戻される構造が多く、ひたすら同じ所を何度も歩かされ、作業感満載で楽しくない。
さらにクリア後ダンジョンで頻出する「職業を限定する扉」が致命的。
ギャルゲー仕様のRPGの本質は、好みの娘を並べて理想のハーレム(パーティ)を作る事と言っても過言ではないだろう。
お気に入りの娘達を鍛え、装備品を整えても、それを思うように使えないというのはあまりにも痛い。

なおシナリオ面はあって無いようなものなので期待すべからず。