大いに肩透かしを喰らわされた作品。
これといった目的のない日々を送っていた主人公が、誘われるがまま女子制学園に教師として赴任したものの、
そこで『魔女』に関する奇妙な事件に遭遇し、その背後にあるものを追求しようと奔走する傍ら、
教師としてヒロイン達と心を通い合わせ、最終的に得るモノを得るという典型的なお話。しかし……
――――肩透かしその一:『シナリオの盛り上がりにあたる部分や中核部分が共有されている』
四ヒロインの内、あからさまに異なる一人を除いたメインの三人のシナリオは、個々人が抱える問題を描写する部分だけが違い、
謎解きの流れやその切り口はほとんど同じで、全攻略するのが億劫な作りになっています。
辛うじてそれぞれで事後見解が異なっているのと、アフターストーリーがちゃんとしている(当然か?)のが救いでしょうか。
……ただ、事後見解が単一では不完全にされているので、結局はたちが悪いのかもしれません。
――――肩透かしその二:『残りの一人のシナリオが超常現象で締められている』
ついでに、シナリオの流れも他三人のものとほとんど同じな上、ヒロインの個人的な話題が途中で消滅している始末。
「……What?」というのが率直な感想。
他三人のシナリオのテンプレ構造に飽き飽きし、「この異質なヒロイン“こそ”は……」となけなしの希望を繋いでいたと共に、
三人のシナリオの現実を上回る更なる現実(True END)を期待していた自分は、絶大なる肩透かしを喰らってしまいました。
取り敢えず第四の生贄が生じることなく、ヒロインにかかっていた呪縛も解かれたということで、
メデタシメデタシ…………という風には仕上がっていましたが、釈然としません。
詰まるところ、他の三人のシナリオでは事件を現実の枠内で捉えて締めていたにもかかわらず、
何故ここでわざわざ超常現象を持ち出して話を揺り戻し、そのまま話を締めてしまっているのかが理解不能。
現実的な見解と超常的な見解をぶつけ合わせることで、話の幅や世界観を広げようとしたのでしょうか?
…………はたまた、ライターさんが途中でドロップアウトしたとか。
ここまで肩を透かされ/肩を透かしてしまった作品は初めてでした。
それでも、涙と笑顔と言葉と裸Yシャツは効きました……。
暗話冥題。
学園長~、何で都合よく飛び込んでくるんですか?
お陰で真相究明編(True END)があると、期待してしまったじゃないですか……。
妄言多謝です。