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放浪人さんのモエカすの長文感想

ユーザー
放浪人
ゲーム
モエカす
ブランド
ケロQ
得点
70
参照数
285

一言コメント

Route of Kirishimaと二五六三ノ空が印象に残った作品

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

“Route of Kirishima”
鳴り物入りの真・霧島編はリニア編をコラボした作りで、モエかんの霧島編とは別物です。
と言うか、最後の結論がモエかんの方では陰陽五行の克服云々だったような覚えがありますが、
こっちの方では聞いたこともない存在の再生計画云々になっており、見た目が丸っきり違っていました……。
一応各所を回ってその辺の裏設定を調べましたが、一言で言ってしまえば「あっそう」です。

結局、それらの設定には霧島に厚みをつけるだけの意義しか見い出せませんでした……。
が、その厚みを付けるという点に関しては十分に出来ているように思えます。
旧・霧島編では駆け足展開、夢にされた交わり、すれ違いの別れで肩透かしを喰らいましたが、
今回は霧島の煩悶、協力する二人、正面向いた別れ、主人公の慟哭、待つ人々など、十分に魅せてもらい満足できました。
『モエてん』の“Betrayer”と『PS2版』アフターも見ているので、悲劇性の補完は個人的に十分です。
…………本当は冬葉編&PS2冬葉アフターが好きなんですけどね。

“二五六三ノ空”
“Route of Kirishima”をやっていて「?」と気になったことがありました……。
個人的に印象に残っていた、『モエかん』での二回目の酒の席での会話がごっそり削除されていたことです。
元々、あの会話は本音を語ってくれた主人公に対し、霧島が感動するという流れを作っていただけで、
作中であまり意味を成していない割には冗長「過ぎて」いたので削られたのだと思っていました。
が、“二五六三ノ空”を見て、貴弘と卓司のやり取りがそれに重なりました。
『終の空』は動作が重過ぎて早々に放棄してしまい、このSSの基礎知識は持っていませんでしたが、
共通ルート部で削除された会話と、その内容によく似たSS……ちょっと、不思議な感じを受けました。

妄言多謝です。