それは理想を追う、一人の少年の物語―――……
士郎の成長物語。
それがFate/stay nightというゲームの全てです。
聖杯戦争も、サーヴァント達も、マスター達もそのためのスパイスに過ぎません。
・セイバールート(Fate)
自己を犠牲にすべてを救おうとする衛宮士郎。
自己を犠牲にして国を護ろうとしたセイバー。
出会うべくして出逢った、似たもの同士の二人。
彼女との日々を通じ、士郎は悩みながらも己の在り方をひたすらに貫き、セイバーは士郎の在り方に己の間違いを見つめ、救済されて剣の丘に帰る……。
GOODENDについての議論が醸されているこのルートですが、個人的にはあれ以外の終わり方はないと思ってます。セイバーが現在に残っていては、貫き通した士郎の在り方とは別になってしまいますからね。
・凛ルート(Unlimited blade Works)
愚かしいままに真っ直ぐ正義の味方を目指す衛宮士郎。
目指した理想へと辿り着き歪んでしまった英霊エミヤ。
凛……というか、これはアーチャーたるエミヤのルートです。
Fateの半分は彼の物語ときのこさんが言っていた通り、己の理想と対峙し、それを乗り越えて戦う士郎がルートの根幹です。
己の理想を見た士郎と。
己の原点を見たエミヤ。
二人のこれからは満足のゆくものだったと信じたいです。
・桜ルート(Heaven's Feel)
誰も助けてくれなかった不幸の少女、桜。
誰も助けられなかった後悔の少年、士郎。
このルートでは今まで貫き通してきた‘全てを助ける正義の味方’というカラを士郎が突き破り、‘桜のためだけの正義の味方’として再生します。
二つのルートをこなしてきた人たちには、士郎があっさり自分の道を斬り捨てたように見えるからか、人気のないルートですが……個人的には結構好きです。好きな子のためにがんばるというのは、今までの士郎よりも人間味に溢れているので。
あと、桜ははっちゃけた方が好きですね。いい味出てます。
失ったものと得たもののズレを、長い長い人生で少しずつ埋めていく………そんな意味が込められているルートだと思います。
さて、総評ですが。
シナリオ的にもキャラ的にも文句ないです。
OPムービーも素晴らしい出来だったし、エフェクトもよく動く、そしてCGも多い。
100点をつけたいところですが………イリヤルートがないので、1点減点しておきます。
個人的には半年発売が遅れても出て欲しかったなぁ………………。