トリックはお粗末。 しかしテキストは抜群に面白い。
車輪がヒューマンドラマだったのに対して、こちらはスリリングなサスペンス。
魔王と勇者の推理戦はなるほど見応えがあり、実際、時間を忘れるほど面白かった。
非常に残念なのは、クライマックスが先読みできてしまったこと。あの車輪で驚天動地のトリックをお見舞いしてくれた、るーす氏らしからぬ伏線の下手ぶりだったと思う。あれなら『ぼくの一人戦争』の方がまだマシかもしれない。
途中までは90点近かった点数が、これで48点くらいまで大減点。描写の粗さも目立ったのもマイナス。
とは言えラストの“ああいう展開”は個人的に好みだし、心理戦描写の高いクオリティ、BGMの秀逸さ、そして何よりキャラクター特に魔王が格好良かった。
トリック・車輪>魔王 テキスト・車輪<魔王
そういった諸々を加味して、なんだかんだで面白かったにで、この点数に。
難点はあるが、一応傑作だと思うので、期待値を下げてプレイすることをおすすめしたい。